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2023/07/28

生コン「出荷ベース」4割に拡大

 全国生コンクリート工業組合連合会・同協同組合連合会(全生連、斎藤昇一会長)の調べで、2023年の価格改定に当たり、出荷時点での価格で生コンを納入する「出荷ベース」を採用した協組が約4割を占めたことが分かった。22年6月の前回調査と比べて10ポイント以上拡大した。セメントなどの原材料やエネルギー価格の高騰を受けて、建設業に欠かせない資材である生コンの契約形態が変化しつつあることが浮き彫りになった。
 生コンの契約形態は、同じ工事であれば完成まで契約時の価格で納入する「契約ベース」が原則。しかし、この1〜2年で原材料やエネルギー価格が大幅に高騰しており、そのコストアップ分が契約ベースでは生コン製造業者の負担となっていた。これを受けて、東京地区生コンクリート協同組合などは出荷ベースへの転換を表明した。
 全生連が3月に行った調査では出荷ベースを採用した協組は36・1%となり、前回調査から12・6ポイントアップ。出荷ベースと契約ベースの「混在」も6・2%となり、2・2ポイント増えた。契約ベースは55・7%で14・7ポイント減となったものの、引き続き過半数を占めている。
 また、23年に契約ベースを採用した協組のうち62%は、出荷ベースの採用を検討していたことも分かった。出荷ベースを不採用とした理由に関する質問(複数回答)では、「建設業者の理解が得られにくい」との回答が78・5%で最も多かった。この他、「必要性を認めるも、時期尚早と判断」「他協組の進展を見定めたい」との回答も多かった。
 東京やその他の主要都市に所在し、出荷ベースを採用した15協組にヒアリングしたところ、実際に顧客の理解を得られて「既に定着」したのは5協組、「おおむね受け入れ」は6協組あり、合計すると全体の7割を超えた。また、既に契約が済んでいた物件全てで実際に新価格を適用できたのは5協組だった。この他、物件ごとの交渉や、一定期間に限定して旧契約を適用するなど、さまざまな形で出荷ベースへの移行に理解を求めている協組があった。
 この他、価格改定から3カ月以内に出荷した場合に限って旧価格での契約扱いとする「3カ月条項」について、廃止した協組が回答全体の55・8%を占めた。残る44・2%も適用条件を厳しくするなど、商慣習の見直しが進んでいる。

提供:建通新聞社