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2023/10/03

道路の定期点検を見直しへ 新技術で診断の「質」確保

 国土交通省は、道路を対象とした定期点検要領を改定する。点検の助けとなる新技術の活用を促進する他、記録すべき内容を整理してデータの高度な分析を可能とすることなどを検討。診断の「質」の向上につなげる。2024年1月までに改訂版の要領の素案をまとめ、24年度から始まる橋梁やトンネル、シェッドなどを対象とした3巡目の定期点検に備える。
 このため、10月2日に社会資本整備審議会道路技術小委員会を開き、見直しの方向性を示した。
 道路の定期点検は、近接目視による現状の確認が基本となっている。ただ、目視による点検が困難な施設もあるため、19年度から新技術を公募し、点検支援技術としてカタログ化。橋梁・トンネルなど施設種別ごとに画像計測や非破壊検査などの技術の性能を整理し、今年10月時点で239技術を掲載している。
 こうした技術の活用が自治体で進んでいない実態を受け、今回の改定では、道路施設の構造、状態に対応した点検支援技術とその使い方を明確化するとの方向性を打ち出した。
 また、診断結果を記録する様式の見直しも議論する。現行では診断の検討過程が記録から漏れるため見直しを考える他、記入が負担とならないよう最低限の記録項目、記録方法を検討する。
 さらに、会議では、定期点検の質にばらつきがあるとの課題も提起した。現在は対策が必要か否かなど、点検後の対処を集計しているが、自治体によっては道路構造物の状態そのものを記録できていないという。力学的、科学的状態も含めて残すべき情報も議論する。
 要領の見直しに向けて今後、自治体を対象にアンケート調査を実施する。準拠している点検要領や記録項目、点検が負担になっている構造物、作業内容などを把握する。新技術の活用に必要な支援ニーズも確認する。
 この他、会議では点検を担う技術者の育成・確保もテーマとなった。既に直轄道路では管理技術者だけでなく担当技術者にも一定の資格の保持を要件化しているが、委員からは国家資格化を求める意見も出た。

提供:建通新聞社