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2023/11/07

全国中小建設業協会 ブロック別意見交換会(3)関東

 全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)は10月25日、国土交通省などとの関東ブロックでの意見交換会を開催した=写真。施工の実態を踏まえた時間外労働の上限規制への対応や賃金アップ、ダンピング対策などについて意見を交わした。
 全中建傘下の関東ブロックの6団体が参加。冒頭、あいさつに立った全中建の田邊聖副会長は「地域社会に貢献する地場産業として、中小建設業が役割を十分に果たせるよう基盤を築くことが重要」だと訴えた。
 参加団体の意見ではまず、東京都中小建設業協会と全中建多摩が、時間外労働の削減と賃金アップに向けて、東京都内の路上工事の現状を踏まえ、労働時間内で実際に行える作業の実態に沿った標準歩掛の変更と、標準歩掛変更に伴う工期の見直しを求めた。また、市区町村工事などでの週休2日の補正係数の割増などを要望した。
 これに対して国交省不動産・建設経済局建設業課の沖本俊太朗入札制度企画指導室長が発言。標準歩掛に関しては、実態を調査し対応していく方針を述べた。また、週休2日工事については、「担い手確保においても重要」だとし、地方公共団体などに対して適切な対応を働き掛ける方針を話した。
 町田市建設業協会は、働き方改革に関して、工事費の現場管理費率や一般管理費率などの引き上げや、最低制限価格の予定価格の95%以上への底上げ、さらなる書類の簡素化などを求めた。
 沖本室長は、公共工事での適正利潤の確保に留意していく他、最低制限価格に関して、最新の中央公契連モデルの地方自治体での採用拡大などを引き続き後押しする方針を話した。
 書類の簡素化については、関東地方整備局の荒井幸雄技術管理課長が、業界アンケートを踏まえ、同局の「土木工事電子書類スリム化ガイド」の改善に取り組んでいることなどを説明した。
 神奈川県中小建設業協会は、働き方改革で週40時間制にした場合の作業員の賃金低下をカバーするため、設計労務単価の15%アップが必要だとした。また、週休2日制での労務費と現場経費の割増補正係数の1・25以上への見直しを要望した。
 設計労務単価について沖本室長は、今後の調査結果を反映する他、国土交通大臣と建設業団体の申し合わせに基づき、技能者の賃上げに「官民連携で取り組みたい」とした。
 横浜建設業協会は、技術者資格制度に関して、若年層対策として、2級施工管理技士の講習による資格取得制度の復活を要望。また、中小企業のDXやICT施工への支援を求めた。
 講習による資格取得について沖本室長は、技術力確保の観点から慎重な見方を示した。また、ICT施工については荒井課長が、関東地整でまとめた小規模工事での事例集や、アドバイザー制度の活用などを呼び掛けた。
 全中建建友会は、高年齢者の人材活用や技能伝承をはじめ、新3K(歓喜、感動、感服)の発信による建設業のイメージアップを提案した。
 沖本室長は、ベテランが評価される建設キャリアアップシステム(CCUS)への協力を求めたほか、イメージアップについて建設業振興基金と連携して取り組む方針を話した。
(地方建設専門紙の会・建通新聞社)