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2023/11/07

自治体の工事発注 システム共通化で3案

 総務省の有識者研究会は11月1日、建設工事をはじめとした公共発注に関わるデジタルシステムの自治体間での共通化に向けた試案をまとめた。具体的には▽都道府県単位での共同調達システムの整備を全国で促進する▽物品・役務に関する政府の調達関連システムを全ての自治体が活用できるようにする▽全自治体共通の調達関連システムを整備する―の3案を提示。これらを組み合わせることも視野に入れる。
 研究会は11月中に報告書をまとめる。これを踏まえ、総務省は2024年にも自治体の発注関係担当者とのワーキングチームを立ち上げ、システムの具体化に向けた協議を開始する。
 システムが備える機能については、入札参加資格申請から入札の公告、応札、契約までの一連の手続きに加え、完了検査や請求・支払いまでを視野に入れる。ただ、こうした機能全てを最初から備えたシステムを構築するハードルは高いと見られる。
 3案のうち、都道府県単位での共同の調達関連システムの整備は、既に14府県が市町村などと共同で入札参加資格申請を受け付けるなど、一定程度取り組みが進んでいる。この取り組みを全国に横展開するようなイメージだ。
 政府調達システムの活用や、全自治体共通の調達システム整備を具体化するには、入札に関わる手続きや書類の様式を自治体間で統一化する必要もある。
■「地域加点の廃止は困難」との意見も
 検討に当たり、自治体への意見聴取も行った。入札参加資格審査手続きの関連では、地域特有の加点要素がある自治体が「これらの項目を廃止することは困難」と表明。規模の大きな区域外業者の参入で、地元の小規模事業者の受注機会が失われることに懸念を示した。
 一方、財源やマンパワーの不足から入札関係手続きの電子化・オンライン化が進んでいない自治体も多く、共通化に前向きな意見も寄せられた。

提供:建通新聞社