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2023/11/09

品確法改正へPT設置 品確議連

 「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)」の改正に向けて、自民党の議員連盟(品確議連、根本匠会長)は、プロジェクトチーム(PT)を設置することを決めた。少子高齢化により人手不足が深刻化する中、担い手を持続的に確保して社会インフラ整備の質を維持するため、必要な法改正を行う。PTでは、建設業団体からの要望も踏まえ、法改正で対応すべきこと、運用の見直しで対応できることを整理していく。測量法の一体的改正も視野に入れる。11月8日に開いた品確議連の第16回会合で説明し、改正へのキックオフとした。
 会合の冒頭で根本会長は、「バブル崩壊後の冬の時代、公共工事でも過当競争が発生し、最低制限価格に張り付き、くじ引きで落札者が決まった。技能者の賃金が10年で3割下がった。品確法では、発注者にダンピング対策を徹底することなどの責務を課した。これにより適切な発注への意識が浸透してきた」とした。
 その上で、2024年問題となる建設業への時間外労働の上限規制適用が迫る中、「担い手確保のための働き方改革をどう進めていくべきか。賃上げや資材価格の高騰、生産性の向上など新たな課題がある。さらに民間工事についても検討すべき問題がある。法改正で対応できることを見極めていきたい」と述べた。
 会合には、日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会、全国建設産業団体連合会、建設コンサルタンツ協会、全国地質調査業協会連合会、全国測量設計業協会連合会、全国建設労働組合総連合の9団体が出席し、要望を行った。
 品確法改正に関する要望では、全国建設業協会が「公共工事をPFI事業として発注した場合、品確法が適用されないと聞いている。適正な予定価格や最低制限価格の設定が飛ばされてしまう懸念がある」とし、品確法での規定を求めた。
 全国中小建設業協会は、「24年問題は長時間労働を改める絶好の機会。公共工事で率先垂範すべき」とした上で、特に地方自治体での取り組みの遅れを指摘。「発注者は受注者が適正な利潤を確保できるように発注しなければならないなどとする、品確法の理念に対する意識を一層浸透させる必要がある」とした。
 建設産業専門団体連合会は、民間工事にも視点を当てた改正の検討を要望。全国測量設計業協会連合会は、「若年層の人材確保に向け、測量法に基づく資格制度の改革が必要」と訴えた。
 品確法は、公共工事の品質を確保し、国民の安全・安心な暮らしを守ることを目的とした議員立法で、05年に制定。国や地方自治体などの公共工事の発注者と、受注者の責務がそれぞれ規定されている。制定の背景には、バブル崩壊後のいわゆる建設業の冬の時代に、低価格競争が横行し、手抜き工事への懸念が社会的に高まったことがあった。その後も社会情勢に応じた課題に対応するため順次、改正している。

提供:建通新聞社