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2023/11/17

転籍制限、「2年間」案 新制度名は育成就労に

 外国人技能実習制度の見直しに向けた政府の有識者会議は11月15日、新制度において外国人就労者の意向による転籍が可能となるまでに必要な期間を「2年間」に設定できるとする案を示した。就労開始から1年がたった後に待遇を改善するなど、一定の要件を課す。現行制度で原則認められていなかった転籍の柔軟化に当たり、経過措置として導入する。技能実習に代わる新制度の名称は「育成就労」(仮称)とする。
 外国人就労者本人の意向による転籍は、技能実習制度では原則、認められていない。不当な長時間労働などがあっても受け入れ先を変えられず、人権侵害につながるとの批判があった。有識者会議ではこれまでに、転籍を柔軟化する方向で議論。同じ受け入れ機関での就労が1年を超えることや、技能検定試験基礎級と日本語能力A1相当以上の試験に合格していることなどの要件を満たす場合に転籍を認めるとの案を示していた。
 15日の会議では、この案に加え、▽当該分野の業務内容を踏まえ、1年を超える期間、同一の受け入れ機関で就労することが計画的な人材育成のために必要だと認められる▽受け入れ機関に対し、就労開始後1年を経過した後に昇級その他の待遇の向上を義務付ける―を要件として、転籍までに必要な期間を「2年を超えない範囲」で設定できるとした。この措置は、新制度の運用開始後の状況を見て継続するか否かを判断するとしている。
 一部の委員からは、転籍制限が可能な期間を2年間とすることについて、日本の労働法制との整合性や、制度運用の観点から反対の意見も寄せられた。

提供:建通新聞社