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2023/12/05

全国中小建設業協会 ブロック別意見交換会(5)中国

 全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)の中国ブロック意見交換会が7日、広島市内で開かれ、協会側は週休2日制工事の拡大、時間外労働の上限規制を見据えた対応などについて、国土交通省に要望した。同省側は、市区町村レベルでの取り組みに改善の余地があるとして、働きかけを強める考えを示した。
 全中建からは土志田会長、朝日啓夫副会長、河ア茂副会長に加え、広島県支部の空久保求支部長ら28人が出席。発注者側は、国土交通省不動産・建設経済局建設業課入札制度企画指導室の大湯裕稀課長補佐のほか、中国地方整備局、広島県の担当者が参加した。
 朝日副会長はあいさつで、技術者の高齢化、慢性的な人手不足を受け「特に中小では、赤字で倒産ではなく、人がいなくて受注できずに廃業する企業が出てきている」と指摘。適切な予定価格の設定を求めた上で、2024年春に建設業にも時間外労働の上限規制が適用されることへの対応として「工期設定を従来より余裕を持ってもらう必要がある」と訴えた。
 県支部は、週休2日制工事の拡大、時間外労働の上限規制のほか、建設業のイメージアップ、スライド条項、低入札への対応など10項目で構成する意見書を提出。
 週休2日制工事を巡り、国、県レベルでは標準化してきたが、市町発注案件では途上と指摘したのに対し、国交省側も認め、大湯課長補佐は「必要な経費を予定価格に反映してもらいながら、取り組みを進める」と働き掛ける考えを説明。割増補正係数のさらなる見直しについては、必要な経費の実態を掴みながら、適切に対応するとした。
 時間外労働の上限規制の導入を控え、書類の簡素化を求める意見に対しては、同省が作成した工事書類作成マニュアルや手引きの周知に努めると理解を求めた。
 また、ダンピング受注につながりかねない低入札を巡り、県支部は「働き方改革や担い手確保に向け、絶対にプラスにならない」と対応を要望。
 大湯課長補佐は直轄工事での低入札価格調査基準計算式を22年4月(令和4年中央公契連モデル)に改定したものの、算定式の設定が旧水準にとどまる市区町村は少なくないとして「令和4年モデルが普及していくことが重要。適切に対応する」とし、市区町村の取り組み状況を「見える化」した資料などを通じ、働きかけを強めるとした。
 このほか、県支部が、建設資材価格が高騰する中での適切なスライド条項の運用を求めたのに対し、同省側は運用基準を策定している市区町村が約3割にとどまるとする調査結果を踏まえ「基準がないのにスライド条項に対応できるのかということになる」(大湯課長補佐)と問題視し、引き続き策定を要請する考えを示した。(地方建設専門紙の会・日刊建設工業新聞)