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2023/11/27

土木・建築で共通に BIM/CIM標準化を提言

 土木学会と日本建築学会は11月22日、土木・建築の両分野で共通のBIM/CIM標準を整備すべきとの提言を盛り込んだ報告書を発表した。合同で立ち上げたタスクフォースのDXワーキンググループがまとめた。
 同日に開いた会見で、土木学会の田中茂義会長は「デジタルは建設の未来を切り開くキーだ」と述べ、提言に基づく今後の取り組みに期待感を示した。
 日本建築学会の竹内徹会長も会見し、人口減少や災害の激甚化といった社会課題について「建築と土木が一緒に取り組まないと解決できない」と述べ、両分野の連携の重要性を強調した。
 報告書では、生産性の高い働き方を実現するため、建設の業務フローの再構築を求めた。デジタルツールの導入で個々の業務を最適化するだけでなく、業界全体で仕事の進め方を見直す必要を指摘するとともに、核となるツールとしてBIM/CIMを位置付けた。
 その上で、BIM/CIMの都市モデルには土木、建築の境目がないことを指摘。国際標準に調整を加えて、両分野共通の国内標準を整備するとの展望を示した。BIM/CIMを前提とし、積算基準や各種業務標準を見直すことも提言した。
 構造化した3次元データ活用の具体例には、都市全体のデジタルデータ化を提示。現状では地理空間情報の基盤と土木構造物、建築のそれぞれで測量手法や座標系の考え方が食い違っているとし、認識の統一と共通化を求めた。特に地下構造物については管理する事業者ごとの情報が錯綜(さくそう)していることから、データベースの整備も必要だとした。
 その上で、これらのデジタルデータを土木・建築技術者が活用できるよう、教育体制の拡充整備を提言。大学については、土木と建築に共通して必要な内容を整理し、教育体系を整えるとした。
 実務を担う土木・建築技術者への、ICTに関するリスキリングの必要性にも触れた。土木・建築での教材の共有化や、教育に携わる側の人材確保も提言した。
 特にBIM/CIM分野は技術の進展が早いことから、教育内容を随時見直せるような体制が必要だとしている。

提供:建通新聞社