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2023/11/29

スライド運用基準策定状況 市区町村で3割程度にとどまる

 地方自治体でのスライド条項運用基準の策定状況について国土交通省が調べたところ、策定率が都道府県・政令市で100%となる一方、市区町村で3割程度にとどまることが分かった。資材価格の高騰は一時期より落ち着いたものの高止まりの状況が続いており、国交省は都道府県・政令市と連携して、市区町村に対してもスライド条項の適切な設定と運用に努めるよう呼びかけを強めている。
 運用基準の策定状況をスライド条項別に見ると、単品スライドでは、都道府県全47団体、政令市全20団体のいずれも策定済みとなった。対して、市区町村は全1721団体中560団体が策定済みで、全体の32・5%にとどまった。
 インフレスライドでは、政令市の全団体が策定済みとなった。都道府県は1団体が未策定。市区町村は策定済みが503団体となり、策定率が3割を割り込んだ。
 一方で、都道府県・政令市でのスライド適用件数の21〜22年度の推移を見ると、57団体で増加。うち適用件数が0・1〜10倍増加した団体が46団体、10〜20倍が9団体、20倍以上が2団体となった。スライド条項別に見ると、単品スライドでは53団体、インフレスライドでは49団体で適用件数が増えた。
 単品スライドは、特定の鋼材や燃料などの価格が急激に変動した場合、受発注者双方が請負代金額の変更(スライド額)を請求できる措置。対象工事費の1%以上の変動に対してスライド額を適用できる。インフレスライドは、材料価格を含む物価や賃金の変動に伴う価格水準全般について、短期間で急激な変動が発生した場合に適用できる。
 単品スライドとインフレスライドは併用することができ、申請の順番は問わない。これらに伴う変更契約は通常、インフレスライドが先行し、清算的な変更となる単品スライドがそれに続くことになる。
 国交省では、適切なスライド活用につなげるための想定質問とそれに対する回答を公表中で、国交省ホームページ(https://www.mlit.go.jp/tec/content/001577480.pdf)からPDF形式でダウンロードできる。

提供:建通新聞社