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中央ニュース

2023/11/30

地域貢献、若手活用を総合評価 都道府県で取組み拡大

 都道府県が実施している総合評価落札方式で、地域に貢献する企業や実績の少ない企業、若手・女性の活用に前向きな企業の参入を促す取り組みが広がりつつあることが、国土交通省の調査で分かった。災害復旧に即応できる体制を整えていたり、若手・女性技術者を登用している企業を評価する団体が増加。総合評価にかかる事務量を軽減するため、システム化・自動化といった工夫も進んでいた。ただ、総合評価による契約率が50%以上の都道府県は7団体にとどまっていた。
 地域に貢献する企業の参入を促す総合評価の事例としては、奈良県が「配置予定技術者の実績」を評価項目から除外する代わりに、「建設機械の保有台数」や「従業員の雇用状況」などを評価する方式を導入。地域の核となって災害発生時に迅速に活動できる地域の施工業者の確保につなげている。奈良県では企業チャレンジ型として、「企業の施工実績」「配置予定技術者の実績」の代わりに、「施工計画」を評価する方式も実施。新規参入企業の受注機会の拡大につなげている。
 若手・女性技術者の確保・育成に向けては、山形県が、一部の総合評価対象案件で、同種・類似工事の施工経験を評価対象とせず、若手または女性技術者を配置予定とした場合に加点評価している。
 静岡県では、「企業の施工能力」「技術者の能力」「企業の地域貢献度等」のうち、「技術者の能力」の評価項目を設定しないこととし、経験の少ない若手技術者を配置しても総合評価の加点で不利にならないような方式を導入している。
 三重県では、若手技術者の登用を推進する目的で、配置予定技術者の工事実績を設定しない工事を試行中だ。
 また、総合評価の事務量の軽減に向けた取り組みでは、▽技術提案型を除く総合評価の評価点数を全てシステムで計算(鳥取県)▽工事成績評定や優良工事表彰者の評価などでシステムを連携し、自動化(山形県)▽システムを導入し、発注者と入札参加者の事務を自動化(宮城県)▽様式を選択式とし、自動的に点数を集計することで採点を容易化(福島県)―といった工夫が見られた。

提供:建通新聞社