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2024/01/16

全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(8) 北海道

 全国建設業協会と国土交通省、北海道建設業協会は10月27日、2023年度地域懇談会を札幌市内で開いた。24年度に迫る時間外労働上限規制への支援や相次ぐ自然災害に向き合う国土強靱化、若者や外国人を含む人材の待遇改善など本道建設業が直面する諸課題の解決に向けて議論を深めた。
 奥村太加典全建会長、国交省大臣官房の楠田幹人審議官(不動産・建設経済)、岩田圭剛道建協会長と傘下の11建協の会長らが出席した。
 官民が問題意識を共有し、双方が解決への取り組みを進めるため全国9地区で開催している。
 岩田会長は「目前に迫った時間外労働の上限規制適用に向け業界は努力しているが受注産業という壁、積雪寒冷地という特有の事情があり、発注者の理解が必要。住民生活や経済発展を支える社会資本整備の担い手、災害時の安心・安全の守り手の役割を将来も担っていきたい」と問題提起。
 議題は@公共工事の推進と円滑な施工A改正労働基準法と働き方改革、生産性向上B賃上げと建設キャリアアップシステム(CCUS)、外国人労働者C災害対応と広報−の4つを挙げた。
 道建協では@の公共事業で防災・減災、国土強靱化を強調した。国土強靱化実施中期計画の早期策定と日本海溝・千島海溝の巨大地震対策や高規格幹線道路網整備など継続・安定的な予算確保を要望。第2青函トンネルや新千歳をはじめ空港整備などプロジェクト推進も重点に位置付けた。工事契約後の資材価格高騰や納期遅延が工期に影響する場合、変更協議を確実に行うよう促した。
 Aの改正労基法では、災害復旧で時間外労働上限規制が適用除外となる際には、各労基署で判断に差異がないよう調整を求めた。市町村工事での週休2日制、書類限定型竣工検査の全工事実施、建設ディレクター育成で一般管理費引き上げも要請。生産性向上ではBIM/CIM普及へ設計時点から施工段階に活用できる3次元設計図書の使用やソフトウエアの互換性向上も重要とした。
 Bの賃上げは、民間工事でもスライド条項の類似制度を創設することや、リスク分担について請負契約書への記載義務化を提唱。ラピダスやJR札幌駅周辺再開発で労務賃金が上昇し、工事の利益率低下を招く恐れがある中で適切な単価設定の重要性も示した。CCUSの普及、外国人労働者のための環境整備も必要だと指摘した。
 Cの災害対応では、施工中の現場を中止して復旧に向かう場合に発注者の枠を超えた工期延長の承認、リース品などの経費補償を提案した。広報活動では自衛隊などとの報道格差が大きいことから情報発信の必要性に理解を求めた。
(地方建設専門紙の会・北海道建設新聞社)