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2024/01/11

建築時期で建物損傷に差 能登半島地震で速報会

土木学会は1月9日、地震工学委員会などによる能登半島地震の分析、現地調査結果の速報会をオンラインで行った。金沢大学の村田晶氏は、旧耐震基準で建築されている建物の損壊が深刻だったことに加え、1981年以降の新耐震基準で建てれた住宅についても「かなりの損傷を受けているものが多い」と説明。一方、2000年以降に新築された建物については「震動に起因する損壊は軽微にとどまっている」とし、建築時期に応じて被害の程度に差が見られたとした。
 村田氏らは1月3日、6日に石川県で大きな被害を受けた七尾市や珠洲市、輪島市を調査した。地震動については、特に周期1〜2秒の成分の影響による住宅建物の被害が深刻だったという。また、周期3秒の地震動による社寺建築物の倒壊が顕著だったとした。
 橋梁の受けた被害については、群馬工業高等専門学校の井上和真氏らが説明。1月2〜4日に新潟県、富山県、石川県を調査した結果を踏まえ、橋梁被害の多くは橋台背面のアプローチ部沈下に集中していたことを報告した。この結果、橋梁本体に損傷がなくとも「段差の存在により交通インフラとしての機能は低下した」と指摘した。
 地盤被害については、長岡技術科学大学の志賀正崇氏らが新潟市、富山県氷見市、石川県七尾市などの調査結果を報告。特に金沢近郊では干拓地に液状化や道路の沈下、電柱の傾斜といった地盤被害が見られたことを説明した。

提供:建通新聞社