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2024/02/06

設計労務単価 4割超が参考にせず

 国土交通省が実施した2023年度下請取引等実態調査によると、元請け・下請け業者の4割超が、技能者の賃金水準の設定で「公共工事設計労務単価を参考にしていない」ことが分かった。下請けでは次数が増えるほどその傾向が強かった。持続可能な建設業の実現に向け、国交省は、設計労務単価などに基づき適正な賃金水準を確保するよう、建設業界団体などへの要請を強めている。
 実態調査によると、「公共工事設計労務単価を参考にしていない」と回答した元請け・下請け業者は全体の44・0%を占めた。一方で、「そのまま使用している」と回答した業者は13・8%にとどまった。残る42・1%は「変動の動向を反映している」とした。
 このうち「参考にしていない」とした割合を階層別に見ると、元請けが37・3%、1次下請けが50・1%、2次下請けが55・5%、3次下請けが66・7%となり、元請けと3次下請けでは29・4ポイントの開きが見られた=グラフ参照。
 設計労務単価は、国交省、農林水産省、都道府県、政令市などの公共工事を対象とした、事業従事者の賃金実態を調査する「公共事業労務費調査」の結果に基づき、国が公共工事の積算に用いる単価として毎年決定しているもの。法定福利費相当額、義務化分の有給休暇取得に要する費用、時間外労働時間を短縮するために必要な費用、元請け企業から下請け企業を経由せず、技能者に直接支給する手当なども含まれる。全国平均ではこれまで11年連続で上昇している。
 下請取引等実態調査は、元請け・下請け間の取引の適正化を目的に毎年実施しており、今回は許可業者1万2000者に調査票を送り、1万0500者が回答した。

提供:建通新聞社