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中央ニュース

2024/02/22

一人親方の健康管理指針 時間外労働規制を参考に

 厚生労働省は、一人親方などの個人事業者を対象とした「健康管理に関するガイドライン」の素案をまとめた。長時間の就業による健康障害を防ぐため、雇われて働く労働者に適用される時間外労働の上限規制を参考に、個人事業者自身が就業時間を調整することが望ましいとした。
 労働者と異なり、個人事業者は自身の健康について自己管理が求められている。ガイドラインでは、個人事業者向けの留意事項に加え、建設工事の発注者や元請け、上位下請けに当たる「注文者」が配慮すべき内容も明確化。国の取り組み事項も示し、関係者一体で個人事業者の健康障害を防止する。
 個人事業者自身による取り組みでは、長時間就労時の医療機関の受診、メンタルヘルスに関するストレスチェックの実施などを求めた。厚労省がオンラインで無償提供している健康管理ツールの活用も促している。
 注文者に対しては、短納期発注やひんぱんな発注内容の変更を避けるよう求める。発注の平準化や発注内容の明確化、医師による面接指導の機会提供など配慮すべき事項も示した。
 特に、「危険・有害な業務」に従事する場合は、個人事業者に対しては対策の知識を得ておくこと、注文者に対してはリスクや対策に関する情報や特別教育、特殊健診などの提供を求めている。
 特定の注文者から特殊健診を要する業務を6カ月以上請け負う場合は、健診費用の全額を注文者が負担するよう求めた。6カ月未満の場合でも、費用の一部を注文者が負担することとした。
 国はガイドラインの決定後、周知や情報発信に取り組む他、団体を介した助成金や、地域の産業保健センターなどを通じて個人事業者を支援していく。
 2月21日には労働政策審議会の安全衛生分科会にガイドライン素案を提示。委員からは、注文者の立場に中小の建設業者があることも念頭に、丁寧で分かりやすい周知を求める意見が出た。人手不足の実態や、単価の低さが健康管理に影響することを指摘する意見もあった。

提供:建通新聞社