トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2024/02/26

BIM/CIM活用促進へ 24年度に3次元成果物の作成要領改定

 国土交通省は、直轄土木工事でのBIM/CIMによる、詳細設計の3次元モデル成果物の作成方法を示す「3次元成果物作成要領」について、よりデータ活用が進むように内容を見直す。今後、プロジェクトチームを設置し、検討に着手。関係機関と連携し、2024年度中の改定を目指す。2月22日に開いた「BIM/CIM推進委員会」の第11回会合で、改定の方向性を提示した。
 大きな方向性としては、3次元モデルの作成からデータ活用に意識を変えるため、まず、名称を「3次元成果物作成要領」から「BIM/CIM取り扱い要領(仮称)」に変更する。成果物を作成する目的については、さらに将来を見据えたものとする。このため、「設計品質の向上、後工程における3次元モデルの活用」としている現行の目的を、「建設生産・管理システム全体の効率化」に改める。
 併せて、BIM/CIMにより、どのように生産性向上を図っていくかを具体的に記載し、受発注者間で成果物をつくる目的をより共有しやすくする。
 さらなるデータ活用に向けては、「整理・管理」「検索・取得」「加工」ができるデータベースを構築し、仕事の効率化を目指す。具体的には、積算や設計変更で3次元モデルの活用を進め、全体の効率化につなげる。
 さらに、直轄土木工事で3次元設計(3次元モデル)の標準化を目指した試行も実施する。試行では、「生産性向上」「基準」「ソフトウエア」といった観点から、標準化するために解決すべき課題を整理し、標準化へのロードマップを検討する。

 「3次元設計の標準化も検討」

 直轄土木工事では23年度からBIM/CIMを原則適用し、3次元モデルの活用を本格的に開始した。一方で、3次元モデル作成は、2次元設計を行った後に実施している場合が多く、手間が増えるなど効率化が進んでいないとされる。
 そこで、国交省は、3次元成果物作成要領を改定し、受発注者が3次元モデルを活用しやすくするとともに、3次元モデルの標準化へ、課題の抽出と対策の実施に向けた取り組みも始めることとした=イメージ図。
 この他、BIM/CIM原則適用での生産性向上の成果を整理し、省のホームページで掲載、好事例の横展開につなげるとしている。

提供:建通新聞社