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2024/02/28

直轄工事で積算自動化 24年度にデータ変換ツール開発し、試行

 国土交通省は、直轄土木工事でのBIM/CIMによる3次元モデルを活用した積算の自動化で必要となる「データ変換ツール」について、2024年度から一部の構造物工で試行を始める。年度前半にツールを開発し、試行に着手。順次、試行の対象範囲を広げながら、次期積算システムとともに、26年度からの本格運用を目指す。2月22日に開いたBIM/CIM推進委員会の第11回会合で説明した。
 直轄土木工事では現状、詳細設計の段階で3次元モデルを作成しても、予定価格を算出する積算システムと連携可能なデータに変換するツールがない。このため、積算の作業者は、別に2次元図面を作成したり、3次元モデルを活用する際に、設計成果から数量算出条件を別途入力したりする必要があり、多くの場面で、コピー&ペーストを含む手入力作業を余儀なくされている。
 データ変換ツールができれば、次期積算システムに搭載される予定の「設計数量管理機能」に3次元モデルから自動で数量を入れられるようになる。これにより手入力をなくし、工事の予定価格算出までの一連の積算作業を自動化するという=自動化のイメージ。データ変換ツールの試行は、24年度の途中からコンクリート構造物工、25年度から鋼構造物工と土工で実施。試行工事では、データ変換ツールを使って、3次元モデルから変換したデータを設計数量管理機能に入力し、動作確認などを行う。
 直轄土木工事での積算の自動化に向けては、これまで信濃河川事務所や千曲川河川事務所所管の工事案件を対象に、それぞれの設計者が3次元モデルの作成と数量の自動算出などに取り組んできた。改善点としては、「2次元図面と3次元モデルを重複して作成したため、コストと時間がかかった」「ソフトウエアから数量総括表へ自動入力できれば転記などでのミスがなくなる」といった意見が上がっていた。
 次期積算システムは現在、国交省でシステムの開発を進めている。

提供:建通新聞社