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中央ニュース

2024/03/01

データシェアリングの意識向上 「発注者から説明あり」が増加

 国土交通省が直轄土木工事の受発注者双方に対して、前工程のデータを後工程に引き継ぎ共有する取り組み「データシェアリング(DS)」に関するアンケート調査を実施したところ、発注者から設計図書の元情報について「契約後速やかに説明があった」と回答した受注者の割合が、2023年度は21・22年度と比べ7・5ポイント増加し、65・6%を占めた。「説明した」とする発注者の割合も8・3ポイント増の69・1%に上っており、国交省の担当者は、BIM/CIM原則適用の相乗効果として、DSに対する意識が受発注者双方でより高まったとみる。
 BIM/CIMによる生産性向上という本来の目的達成には、3次元モデルデータのスムーズな引き継ぎと活用が必須となる。そこで国交省は、23年4月からの直轄土木工事でのBIM/CIM原則適用と併せて、前工程のデータを後工程に引き継ぎ共有するDSに取り組んできた。
 具体的には、データの引き継ぎの際に、発注者が受注者に設計図書の元資料の情報を説明し、受注者が希望する参考資料を電子データなどで貸与する。これにより設計・施工など建設生産プロセスの各段階での余分な手戻りや手間の発生を防ぐという。
 22年11月からはデータを一元管理する「電子納品保管管理システム」での貸与資料ダウンロード機能の運用も開始。受注者が資料の貸与を求めた場合にIDとパスワードを案内し、アクセスすれば必要なデータを検索して取得できるようにしている。さらにDSを徹底していくため現在、IDとパスワードをプッシュ型で貸与する方向で調整している。
 また、24年度には、受発注者間でデータを効率的に共有する手法を検討した上で、今後のDSの進め方を整理する。効率的な手法としては、クラウド上でデータを共有・管理する手法や、報告様式をあらかじめ協議し決めておくような取り組みを念頭に置いている。

提供:建通新聞社