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中央ニュース

2024/03/05

スランプ全数計測 改めて代替性評価

 国土交通省は2024年度、工事現場で生コンクリートの柔らかさ(スランプ)を確認するサンプリング検査について、AIの画像解析による全数計測手法の代替性評価を改めて実施する。スランプ測定の意義も再考しながら、現場の省力化につながる代替手法を整理し、将来的なコンクリート品質管理の在り方を探る。
 AIの画像解析による全数計測手法について国交省は、新技術官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)で開発し有効性が確認されたことを踏まえ、全国の直轄工事で試行。導入効果や成果データを把握した上で、今後作成する全数計測手法の品質管理基準案に反映していくこととしていた。ただ、PRISMが終了したことや、他にも類似の技術が存在することもあり、改めて、スランプ測定の意義を考え直した上で、現行のスランプ測定を代替できる技術を洗い出し、現場のさらなる生産性向上の実現を目指す。
 スランプ計測は、生コンのスランプが品質管理の観点から決められた基準値の範囲内にあるかどうかを確かめるもの。現行のサンプリング計測では、工事監督官や試験者(生コン生産者)、販売店の立ち会いが必要で、現場ごとに生コン車を特定し計測している。工事の規模や内容にもよるが生コン車5台ごとに計測が必要になる現場もあるとされる。
 AIによる画像解析では、スランプの全数計測が可能になる他、大勢での立ち会いが不要となる。具体的には、生コン車のシュートから流れ出る生コンを動画で撮影しながら、生コンが目標スランプ値の範囲にあるかをAIで判定する。これにより、監督・供給・施工の3者にメリットがある形で現場の生産性を向上できるという。
 生コンに関する生産性向上へ国交省はこの他、生コン帳票の電子媒体化の試行を引き続き進め、24年度以降の本格運用を目指すともしている。23年度に実施した、生コン帳票の電子媒体化のフォローアップ調査では、施工者・生コン工場の双方から、メリットとして「事務所内での作業時間が短縮できた」「待機時間が減少した」「現場のリアルタイムな状況が把握できる」「次車の予定が立てやすい」といった声が上がった。

提供:建通新聞社