トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2024/03/06

港湾整備の3次元データ クラウドで一括管理へ

 国土交通省は、港湾事業に関わる各種データを格納する「港湾整備BIM/CIMクラウド」について、2024年度に試験運用を始める。調査・設計をはじめ、工事、維持管理までを含めた3次元データをクラウド上に置くようにし、各段階の事業者が共有できるようにする。現時点でビューアーなど四つの機能を構築済み。事業者間や受発注者間のデータのやり取りを円滑にし、事業全体の生産性向上につなげる。
 港湾整備の各段階では現状、それぞれの事業者が作成した形式の異なるデータを個々に受け渡す形で、設計や工事情報の受け渡しが行われている。このため、プロセス間、受発注者間、事業者間でのデータ共有に時間と手間を要している。
 そこで、調査から設計、施工、維持管理に至るまでの一連の建設生産プロセスで必要となる3次元データをクラウド上で共有。データ形式を標準化し、3次元データを統合して表示をできるようにする。
 例えば、調査では測量や地盤調査の結果、設計では設計モデル、施工では施工記録や出来形情報、維持管理では補修履歴や点検履歴などのデータを入れ込めるようにする。
 クラウド上で3次元データを円滑に引き継ぐことで、受発注者間での3次元データのリアルタイムな共有、施工・点検データの現地入力、監督・検査の遠隔化・効率化を実現する。
 試験運用に向けては国交省で、「ユーザー管理機能」「3Dモデルのビューアー機能」「IFCとJ―LandXMLモデルの属性情報の登録・書出機能」「IFCモデルと属性情報(外部ファイル)とのリンク機能」の四つの機能を構築した。「施工進捗管理機能」「出来形管理機能」「電子納品物保管管理システム連携」「フォルダ構成変更対応」「統合モデル保存」の機能も順次構築する。
 港湾分野の直轄工事では、23年度からBIM/CIMを原則適用。直轄土木工事で示した原則適用の考え方と同様に、未経験者でも取り組める「義務項目」と、より高度な「推奨項目」に分け、3次元データの活用に取り組んでいる。

提供:建通新聞社