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2024/03/06

PCaのガイドライン 24年度から順次改定

 国土交通省は、プレキャストコンクリート(PCa)活用に関する三つのガイドラインについて、フォローアップ調査を実施した。調査対象案件は2022年4月〜23年7月に完了した直轄の設計業務・工事。前回調査時(設計20年度、工事21年度)と比べ、いずれのガイドラインも設計者・施工者への周知度が向上した。一方で、改善要望として、「事例の充実」や「具体的な製品規格の明記」を求める意見が多く見られた。調査結果を踏まえ、24年度から順次、改定作業を進める。
 ガイドラインは、18年6月に策定した「コンクリート橋のプレキャスト化ガイドライン」と「コンクリート構造物における埋設型枠・プレハブ鉄筋に関するガイドライン」、19年1月に策定した「プレキャストコンクリート構造物に適用する機械式継手工法ガイドライン」の三つ。
 このうち、コンクリート橋のプレキャスト化ガイドラインは、コンクリート橋の部材のプレキャスト化を促進するため、予備設計段階での現場打ちとの比較検討の考え方を明確にしたもの。周知度は、設計編で「ガイドラインを知っている」とした回答者が全体の72%を占め、前回調査より13ポイント上がった。工事編は6ポイント上昇し、28%となった。改善要望を聞いたところ、設計編で「事例の充実」、工事編で「安全対策の追記」を求める意見が多数を占めた。
 コンクリート構造物における埋設型枠・プレハブ鉄筋に関するガイドラインは、現場の生産性向上を目的に、埋設型枠とプレハブ鉄筋の設計・施工時の特性や留意事項をまとめたもの。周知度は、前回調査より設計編で10ポイント(69%)、工事編で5ポイント(29%)上がっていた。改善要望では、設計編で活用事例をさらに収集し、設計手法や具体的な製品の規格の明記を求める意見が多く見られた。工事編はほとんど要望がなかった。
 プレキャストコンクリート構造物に適用する機械式継手工法ガイドラインは、プレキャスト部材へ機械式鉄筋継手工法を適用する際の設計・施工時の留意事項をまとめたもの。周知度は、前回調査より設計編で10ポイント(73%)、工事編で4ポイント(29%)上昇した。改善要望は、設計編で「継手の要求性能の明確化」や「具体的な設計方法の明記」を求める意見が多かった。工事編では、安全対策に関する記載の要望が一部見られた。
 国交省は、現場の生産性を高めるため、PCaの活用促進に力を入れており、関連するガイドラインについて業界の意見も聞きながら内容を改める。

提供:建通新聞社