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2024/03/07

PCa製品の品質管理 民間審査で簡素化

 国土交通省は、地方整備局の監督職員らに対してアンケート調査を実施した。JISマークを取得していないプレキャストコンクリート(PCa)製品の適用実績を聞いたところ、半数超が「適用したことがある」と回答した。一方で、こうしたPCa製品の品質管理項目を満たすための作業に「多大な労力がかかっている」ともした。国交省の担当者は、直轄土木工事でのPCa製品の品質管理を簡素化するため、民間の審査制度を導入する必要があるという。2024年度にも導入の枠組みについて検討を始める。
 アンケート調査は、北海道と沖縄を含む地方整備局の工事品質調整官、技術検査官、主任検査官ら全330人を対象に実施した。JISマークを取得していないPCa製品の適用実績については、54%が「あり」と回答した。適用した製品は、「側溝・水路」が39%と最も高く、以下、「ブロック積み基礎用」が15%、「道路付帯構造物」が10%、「L型擁壁」が10%で続いた。
 一方で、半数近くが、直轄土木工事でJISマークを取得していないPCa製品を使用する場合に必要となる、品質管理項目(全18項目)を満たすために、「多大な労力がかかっている」と回答。そのうち4割超が「品質管理項目の簡素化を検討している」ともした。
そこで、品質管理の簡素化として、民間の審査制度の導入促進を図る。
 民間の審査制度は、「RPCA製品審査」「製品管理技術委員会(北陸土コン)」「日本下水道協会規格」などが知られている。導入メリットとしては、活用したことがある職員の34%が「提出書類の簡素化」、28%が「工事現場へのプレキャスト製品の普及」、26%が「業務の効率化」につながったと答えた。
 一方で、民間の審査制度の認知度は全体の4分の1程度にとどまっており、導入に向けて国交省は、民間審査制度のPRを行い、認知度を高める必要もあるとしている。
 国交省では16年度から、建設現場の省力化や工期の平準化といった観点から、プレキャスト製品の活用に取り組んでいる。プレキャスト製品の活用に当たっては、コスト面での課題や品質管理項目が多いなどの理由で、施工段階での普及が伸び悩んでいる状況にあるという。

提供:建通新聞社