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2024/03/11

建設業法改正案を閣議決定 斉藤大臣「賃金行き渡りのルールを」

 政府は3月8日、建設業法と入札契約適正化法の一部を改正する法律案を閣議決定した。建設業者の責務として、新たに労働者の「処遇確保」を努力義務化したり、著しく低い労務費の基準を示し、それを下回る形での契約を禁止したりする。所管する国土交通省の斉藤鉄夫大臣は、閣議後に会見し、「技能者に賃金が行き渡るためのルールを整備することで、処遇改善から将来にわたる担い手の確保につなげ、持続可能な建設業の実現を目指す」とした。今国会での審議を経て、基本的には公布から1年半以内に施行する。
 改正案では、受発注者間・元下間・下下間のそれぞれの請負契約で、著しく低い労務費での受注者による見積もり提出と、注文者による見積もり依頼を禁止する。その際の基準となる労務費は、中央建設業審議会が「労務費の基準(標準労務費)」として作成・勧告する。著しく低い労務費で契約した発注者(民間含む)に対しては、国土交通大臣が勧告できるようにする。勧告に従わない場合、その勧告内容を公表する。
 総価での原価割れ契約の禁止事項については、これまで注文者を対象としてきたが、受注者にも当てはめる。
 請負契約に際しては、契約後に影響を及ぼす可能性のあるリスク情報(おそれ情報)を受注者から注文者に提供することを義務化する。さらに、資材が高騰した際の請負代金の変更方法を契約書記載事項として明確化。契約後に当該リスクが発生し、受注者が契約変更協議を申し出た場合、注文者に対して、「誠実に協議に応じる努力義務」を課す。資材高騰の影響が労務費へのしわ寄せとして及ばないようにする。
 この他、現場技術者の専任規制を合理化。ICTを活用して遠隔から現場確認できるなどの条件の下、一人の技術者が二つの現場を兼任できるようにする。技術者が減少する中、工事の安全・品質を確保する。

提供:建通新聞社