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2024/03/22

復興事業以後の在り方示す 宮城の建設業存続へ提言

 建設業情報管理センター(CIIC)は、宮城県をモデルとし、地域建設業が今後目指すべき方向性をまとめた報告書を公表した。東日本大震災からの復興事業の概成による建設投資の急減に対応するため、地域維持型契約方式を活用するなど受注機会の確保・競争力向上が必要だとした。その上で、将来の担い手確保へ社内体制の整備、建設業のイメージ改善を求めた。
 報告書は、CIICが設置した有識者委員会(座長・大橋弘東京大学副学長)が作成した。宮城県の地域建設業は、復興事業の終了による投資急減を受けて、特に北部・東部地域にあったり、小規模だったりする企業の経営悪化が懸念されるとした。また、高齢化の深刻な地域も見られたことから、担い手を早期に確保し、今後の災害発生に備えて建設業を存続させる必要があるとした。
 提言では、担い手確保に向けた建設業のイメージ改善の取り組みを求めた。さらに、入社後の資格取得などへのフォロー体制の整備、キャリアステップの必要性を示した。
 働き方改革に向け、市町村や民間発注者に対して適正工期の設定を周知することも盛った。建設ディレクターやバックオフィスを活用し、現場技術者の書類作成を分業化することも提案した。
 災害対応で必要とされる建設業を存続させるため、地域維持型契約や複数年契約などを公共工事発注者が検討することが重要だとした。技術提案チャレンジ型の総合評価の導入も求めた。労務単価の引き上げ、歩掛の適正化により賃上げと利益改善の環境を整える。宮城県が2023年度から実施している地域建設産業災害対応力強化支援事業などの取り組みも、地域建設業の存続に資するとし、今後も継続して行うよう求めている。
■沖縄県では建設業就業者の微増地域も
 沖縄県についても、地域建設業の経営状況に関する調査分析結果をまとめた。建設業就業者数は00年以降、減少傾向にあるが、八重山地域を除いては近年、横ばいから微増の地域があるとした。
 担い手確保は、建設業を経験した社会人の中途採用が中心になっていると分析。新卒採用では工業系以外にも、普通科や商業科を採用している実態があった。
 経営指標は改善傾向にあるものの、小規模企業の利益率が悪化しているとした。

提供:建通新聞社