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2025/04/07

特定技能評価試験 2号受験者急増に対応

 建設現場の職長レベルに相当する特定技能2号となるため、2024年度に技能評価試験を受験した外国人は4535人で、前年度の8・6倍と大幅に増えた。合格者数は871人で、こちらは21・8倍とさらに大きく伸びた。試験実施機関である建設技能人材機構(JAC)は、さらなる増加に備えて試験実施体制を拡充するとともに、テキストに対する受験者の理解を高めるため、きょう4月7日以降、過去に使用した試験問題を公表する。
 外国人技能者が特定技能2号になると、在留期間の更新に上限がなくなる。職長として会社を長期にわたって支えることも可能だ。特定技能2号となるのは、実務経験の他、技能評価試験の合格か技能検定1級の取得が求められる。JACは、2号技能評価試験の実施体制を拡充し、人手不足分野の人材確保という制度の目的を円滑に達成できるようにする。
 特定技能1号として一定の実務経験を積んだ外国人の増加を背景に、2号の技能評価試験の受験者は24年度に急増。業務区分の土木は1766人が受験して325人が合格、建築は2330人が受験し490人が合格、ライフラインは439人が受験し56人が合格、となった。
 建設分野の2号技能評価試験の合格率は19・2%で、前年度と比べると11・7ポイント増と大幅に上昇した。一方、合格率が5割前後で推移している飲食業や製造業と比べると、難易度は高い。
 JACは25年度、受験者がテキストを十分に理解し、試験に取り組めるよう、2号試験問題にルビを振ることを決めた。さらに、1号・2号の技能評価試験で過去に使用した問題159問をホームページで公表する。既に公表していたサンプル問題126問と合わせ、テキストへの理解を深めてもらう。サンプル問題と受験者の勉強用の資料については、就労する外国人の多い14の言語に翻訳し、順次公開する。
 1号・2号を問わず、受験料も値引きする。これまでの負担額2000円から1000円へと引き下げ、負担を小さくする。技能評価試験としては産業分野別で最も安い水準となる。
 一方、1号技能評価試験については、国内だけでなく海外での実施も増やす。24年度の実績で見ても、国内の受験者1312人に対し、インドネシアが928人、フィリピンが319人、ミャンマーが267人となり、海外受験者のウエートが拡大。試験ニーズに応えられるよう、体制を整える。

提供:建通新聞社