トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2025/04/07

自治体の公共調達の価格転嫁に対して交付金

 総務省と内閣府地方創生推進室は、「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金(重点支援地方交付金)」を活用し、公共調達の価格転嫁を図るよう、地方自治体に要請した。物価高騰によって予算が不足している公共事業に交付金を充当し、労働者の賃金の引き上げを後押しする。2024年度補正予算に計上した交付金を25年度に繰り越したことを自治体に通知。25年度事業での交付金活用を呼び掛けた。
 重点支援地方交付金は、物価高騰に苦しむ生活者の暮らしと事業者の雇用を守るため、23年11月に創設された。当初は、エネルギーや食料品の価格高騰の影響に対する支援のみを目的としていたが、24年度補正予算から自治体の公共調達の価格転嫁にも活用できるようにした。
 特に地域経済を支える中小企業の賃上げの原資を確保するなど、地方の賃上げの機運を醸成し、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現を目指す。
 また、交付金の活用は、自治体の入札不調防止にもつながる。地方では、労務費と資材価格の高騰により、予定価格と入札価格に乖離(かいり)が生じ、入札が不調となる事態が増加している。交付金を活用し、入札不調になった事業の再入札をする場合や、契約を変更する場合に、当初の予算で想定していなかった労務費などの上昇分を上乗せしてもらう。
 24年度補正予算には1兆0908億円(低所得世帯支援枠4908億円、推奨事業メニュー分6000億円)を計上した。価格転嫁の取り組みに対する支援は、推奨事業メニュー分の交付金で対応する。
 交付対象事業は、自治体が実施する行政サービスと公共施設の整備。物価高騰対応に関連する調達価格の上昇分のうち、実質的な賃上げにつながる分を支援する。具体的には、再入札時の予定価格の再設定といった適正な価格転嫁に向けた事業などで、物価高騰への対応と関連しない施設整備費用や用地費は対象外となる。
 重点交付金を活用する自治体は、25年度実施計画を内閣府に提出し、自治体ごとに決められた交付限度額を上限に、交付金を受け取る。実施計画の提出期限は、6月13日、10月31日、26年1月23日の3回。交付金を活用する自治体は、活用事業の実施状況と効果検証を事業完了の翌年度末までに公表する必要がある。

提供:建通新聞社