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中央ニュース

2025/04/11

CCUS活用支援創設 外国人履歴蓄積促進

 建設技能人材機構(JAC)は、特定技能外国人の技能・経験に応じた処遇改善に向けて、建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した資格・就業履歴の蓄積を支援する制度を創設する。元請け建設業に対し、CCUSカードリーダーの購入や、外国人技能者のタッチ費用を補助する。今夏の申請受付の開始を目指す。
 外国人技能者が中長期的にキャリアを形成できるように支援する。特定技能2号は在留資格の更新に上限がないが、実際にはより良い待遇を求めて他国へと移ってしまう例も少なくない。外国との人材獲得競争が激化する中で、CCUSへの技能・経験の蓄積を後押しし、日本でよりよい処遇を得られるようにする。特定技能外国人を直接雇用する専門工事業者に対してではなく、元請け企業を支援する制度をJACが初めて設ける。
 CCUS対応のカードリーダーの購入支援は、日本建設業連合会か全国建設業協会、全国中小建設業協会の会員企業を対象とする。費用は6万円を上限とする。カードリーダーの1台当たりの価格は3000円台から3万円台まで幅広く、支援金額の範囲内であれば購入台数に制限は設けない。
 カードを現場でタッチする都度、必要になる現場利用料(タッチ費用)については、外国人技能者のタッチのみを補助対象とする。上限は25万円で、人数や日数による制限はない。
 事業者登録の更新料(上限4万8000円)や、ID利用料(ID数は1まで)に対する補助も新設する。
 主に下請け専門工事業者を対象としてこれまで行ってきた管理者ID利用料、能力評価手数料に対する支援事業は25年度も継続する。
 CCUS活用支援に加え、特定技能外国人のスキルアップ支援制度も整備する。特定技能2号となるのに必要な2号評価試験に合格するか、技能検定1級を合格した外国人に対し、奨励金10万円を支給する。外国人が資格取得までに在籍した受け入れ建設企業にも10万円を支給する。19年4月以降に取得した場合、さかのぼって申請することも認める。複数の外国人が合格している企業は人数分の申請も可能。
 評価試験や技能検定の合格者を確認できる仕組みの整備を経て、6月をめどに申請受付を開始する。申請主体は受け入れ企業。
 このほか、技能実習に代わる新たな在留資格となる育成就労は、特定技能の入り口と明確に位置付けられる。JACは今後、企業や技能者へのアンケート、ヒアリングを通じて推奨すべきキャリア形成の道筋や、そのための支援方策を検討する。

提供:建通新聞社