7種目ある1級・2級施工管理技術検定で、2024年度に行われた第1次・第2次検定の結果が出そろった。学歴・実務経験年数を問わず19歳以上に受験資格を認めたことにより、1級1次検定の合格者は全種目で前年度の受験者数を上回り、7種目合計では6万2839人と前年度比44・9%の大幅増となった。2級を経ずに1級1次を受験する人が増えた反面、2級1次の合格者は全種目で減少し、7種目合計は5万8794人と10・1%減。それでも1級1次の増加が2級1次の減少を上回り、全体としては新たに有資格者となった人数は増加した。
24年度から適用された制度見直しでは、1級第1次検定について、年度末時点で19歳以上であれば学歴・実務経験年数を問わず受験を認めることとした。これまで20年間にわたり、1級第1次検定の受験者が減少から横ばい傾向を続けてきたことを受け、若手の受験を促すために制度を改正した。
24年度の技術検定の実施結果を見ると、こうした制度改正の成果が一定程度、確認できた形だ。1級第1次検定のうち、特に人数の多い土木を見ると、受験者数は55・5%増の5万1193人、合格者数も39・2%増の2万2705人となった。建築も、受験者数が56・4%増の3万7651人、合格者数が36・0%増の1万6324人となった。受験者数の伸びに合格者数が追いつかないのは、従来と比べて経験の浅い若手層が多数、受験したためと考えられる。
1級第1次検定の受験者数・合格者数が大きく増加した反面、これまで建設技術者の入り口として機能してきた2級第1次検定の受験者数は減少した。2級第1次検定のうち土木の受験者数は9・7%減の3万9276人、合格者数は19・0%減の1万7285人。建築の受験者数は10・3%減の3万6549人で、合格者数は2・2%減の1万8138人となった。
また、単純な比較はできないが、1級1次と2級1次の7種目について、受験者数を合算すると15・5%増の26万4530人、合格者数は11・8%増の12万1633人となった。1級1次の増が2級1次の減をカバーした形となる。合算した合格者数を種目別に見ると、特に造園(51・6%増)や管(29・2%増)の伸び率が大きかった。
受験資格の見直しは、技術者の3分の1が60歳以上となるなど、急速に進む高齢化に対応し、若手の業界への就職・定着を後押しすることを目的に行った。今回の受験者数の増加が、実務経験の不足していた若年層が一挙に受験したことによるものであれば、25年度以降は反動減も懸念される。
提供:建通新聞社