国土交通省は、建設業法施行規則に基づく登録基幹技能者講習として、4月14日付で新たに「道路等法面保護」を追加した。全国特定法面保護協会(川村公平会長)は、講習の受講申し込みを5月14日まで受け付けている。同協会は登録基幹技能者講習の新設を契機として、建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価基準「法面工」の整備に取り組んでおり、2025年度中の基準新設を目指す。
登録道路等法面保護基幹技能者は、道路・鉄道などの線形構造物やダムを造成する際の切り土・盛土によって人工的に形成された法面(特定法面)の浸食・風化を防ぎ、安定させたり、法面緑化を行うための専門的な知識と経験を有する技能者。全国特定法面保護協会は登録基幹技能者講習について、今後整備するCCUS能力評価基準でレベル4相当と位置付けることで、これまで能力評価基準のなかった「法面工」のキャリアステップを整え、技能向上を処遇改善につなげる道筋を明確にする。
登録基幹技能者講習の受講資格には、法面工事で「とび・土工工事業」として10年以上の実務経験と3年以上の職長経験を求める。CCUS能力評価基準とも足並みをそろえ、レベル2・3相当とする予定の資格保有を受講の要件とする。
具体的には、レベル3相当と想定している職長・安全衛生責任者教育受講に加え、▽のり面施工管理技術者▽1級または2級土木施工管理技士▽のり面ノズルマン技能者―のいずれかの資格か、法面工に関する青年優秀施工者不動産・建設経済局長顕彰(建設ジュニアマスター)の受賞を要件とする。
さらに、レベル2相当の能力も満たすため、法面ロープ高所作業特別教育と▽グランドアンカー施工士▽フルハーネス型安全帯使用作業特別教育▽玉掛け技能講習▽足場の組立て等作業従事者特別教育▽小型車両系建設機械(整地運搬積込機・掘削機)の運転特別教育▽小型移動式クレーン運転技能講習▽1級または2級土木施工管理技士補―のいずれかを要件として求める。
法面工のCCUS能力評価基準は、25年度内の整備を目指す。今回の登録基幹技能者講習の合格者が、レベル4として評価される環境を早期に整える。
■6月に東京・福岡で初講習
講習は講義と試験で構成し、25年度は6月17〜18日に東京都(JA共済ビル)、6月25〜26日に福岡市(電気ビルみらいホール)で実施する。全国特定法面保護協会のホームページから申し込める。受講料は3万8500円(税込み)。2会場で500人の受講を見込んでいる。26年度以降も、年1回の講習を基本とする。
提供:建通新聞社