国土交通省は、新技術活用システム(NETIS)の推奨技術を対象とした新技術基準類を初めて整備、公表した。初弾は5件=表参照。受発注者の積算の手間を減らし、有用な技術の活用を後押しする。2025年度は過去最多の15件を推奨技術に選定しており、準備の整った技術から順次、基準類の整備を進める。
今回、新たに整備した新技術積算基準類はNETISホームページに掲載している。
国交省は毎年度、NETISの登録技術から、外部有識者による審査を経て特に有用な「推奨技術」と「準推奨技術」、現場導入による効果の確認が期待される「評価促進技術」を選定している。
積算基準類の整備対象は、このうち推奨技術と準推奨技術。新技術の導入時に既存の積算基準がない場合は積み上げ計上する必要がある。積算の手間を減らし、有用な技術の社会実装を加速させる。現場導入の実績が足りない技術や、共通仮設費で率計上する材料などを除外し、基準類の整備を順次進める。
これまでも、推奨技術などを直轄工事に導入した場合は工事成績評定で加点する措置を講じ、インセンティブとしていた。整備した積算基準類は自治体にも活用してもらい、新技術活用の裾野を一層、広げる。
25年度に国交省が選定した推奨技術は15件で、年度単位の選定数は過去最多となった。国土技術開発賞やi−Construction大賞などで国交大臣賞を受賞した技術を推奨技術に選定する取り組みを24年度から始めたこともあり、選定数が大幅に増加。準推奨技術には8件を選定した。
今回選定された推奨技術は次の通り。
▽クラウド型転圧管理ソリューション▽建設用3Dプリンティング▽クラウド型空中写真測量解析サービス▽硬質地盤クリア工法▽スマートフォン活用3D計測ソリューション
▽トモロボ▽自動荷重測定装置を搭載したバックホウを用いた積載重量管理システム▽浚渫グラブバケット角度制御装置▽パワーブレンダー工法(横行施工)▽センチメートル級精度の対空標識
▽スマートバッチャープラント▽作業船位置管理支援システム▽浸食防止および植生の自然侵入促進をはかる土壌藻類資材▽3次元モデルを利用したBIM/CIMコミュニケーションシステム▽3次元点群処理ソフトを用いた施工土量計測システム―。
提供:建通新聞社