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2025/04/25

市町村平準化率0・6 都道府県と差大きく

 国土交通省と総務省は、地方自治体の2023年度の発注工事に関する施工時期の平準化状況をまとめた。都道府県の全国平均の平準化率は前年度と比べて0・1ポイント改善して0・81となり、平準化が進んだ。市区町村(全国平均)は0・2ポイント改善して0・60となり、改善は進んだものの引き続き都道府県との差が大きい結果となった。国交省は、改正品確法・入契法に基づき自治体内の部局間連携、ピークカット指標の活用を通じた平準化のさらなる推進を求めていく。
 施工時期の平準化は、公共工事を受注する建設業者の繁閑の差をならし、年間を通じて工事量を安定させて入札不調の回避や受注者の働き方改革につなげる取り組み。平準化率は、通常、閑散期となっている4〜6月期の月平均工事稼働数を年間の月平均工事稼働数で除して算出する。値が1に近いほど平準化が進んでいることになる。
 都道府県の平均は0・81となり、市区町村と比べて平準化が進んでいた。平準化率が最も低かったのは福島県の0・66で、静岡県の0・68、奈良県と高知県の0・69が続いた。最も高いのは香川県の0・94で、山形県と岐阜県の0・93が次いで高かった。
 市区町村は、人口規模の大きな団体ほど平準化が進んでいる傾向が見られた。平準化率0・4以下の割合は、人口10万人以上の市区では5・3%とごく一部だったが、10万人未満の市区では13・7%と増え、町村では23・3%と全体の4分の1近くを占めた。
 人口10万人未満の市区町村を対象に、平準化に向けた取り組みの24年度時点の実施率を見ると、▽債務負担行為の設定=35・5%▽柔軟な工期設定=25・4%▽速やかな繰越し手続き=69・1%▽積算の前倒し=61・0%―となった。いずれも全年度と比べて向上したが、都道府県や人口10万人以上の市区と比べると実施率は低かった。
 国交省・総務省はこうした結果を踏まえ、都道府県・政令市に対し、建設系部局だけでなく、同じく発注量の多い農林部局を含めて全部局で平準化に取り組むよう通知。改正品確法に基づき財政部局とも連携し、予算編成に当たって債務負担行為を設定するなど、施工時期平準化の具体的な対応を求めた。
 さらに、これまでは4〜6月の閑散期に工事を増やすアプローチで平準化を進めていたが、年度末(1〜3月)の工事量に基づく「ピークカット指標」を参考に、繁忙期を軽減するような取り組みも促した。

提供:建通新聞社