国土交通省は、人工知能(AI)を活用し、河川管理施設に故障や障害が発生する予兆を検知するシステムの社会実装に取り組む。政府の研究開発促進事業「BRIDGE」の2025年度分の採択を受け、事業手法や採算性を検討。他分野のインフラ、民間の産業機械などにも適用を見込む。
インフラの故障に予防的に対応することで、建設事業の担い手不足を補う。特に、故障すると国民の生命・財産に影響する河川管理施設をターゲットとし、まずは河川排水機場ポンプ設備の対策を検討する。
既に24年度には、河川排水機場ポンプ設備メーカーやAIベンダー、センサーメーカー、通信事業者の連携に向けたピッチイベントを開催。これらの企業がグループを形成し、国交省の委託を受けてAI開発に取り組む。研究成果は、「生成AIを活用したインフラ施設管理高度化協議会」(仮称)に提供し、さらなる技術開発に生かす体制を構築する。
25年度のBRIDGE新規施策として、国交省関連ではこの他、▽3D都市モデルにおけるAIを活用した環境シミュレーションの高度化および高速化手法の開発▽大規模災害・気候変動に対応した地下水資源の活用▽グリーンインフラにおける導入手法・実装プロセス標準化および地域産業の活性化に資する事業モデルの社会実装▽港湾工事の遠隔操作、自動・自律化の基盤技術の構築―が採択された。
提供:建通新聞社