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2025/06/19

一人親方の働き方自己診断 「社員に近い」4割

 国土交通省が偽装一人親方対策の一環として提供している、「働き方自己診断チェックリスト」で、活用後に自身の働き方を「社員に近い」と判断した割合が全体の35・8%を占めたことが分かった。実際に取引先に社員としての「雇用契約を打診した」割合も10・3%あった。
 建設業の一人親方本人を対象として2024年11月〜12月に行ったアンケートで聞いた。働き方自己診断の結果を確認するのは初めて。
 働き方自己診断チェックリストは、規制逃れを目的とした偽装一人親方化を防ぐためのツール。仕事を依頼されたときに断る裁量や取引先からの仕事内容・方法の指示の有無、報酬の決定方法などを一人親方が自己診断し、自身の働き方が社員に近いかどうか判断できるようにする。
 一人親方が入場する現場でチェックリストの活用を求めているものの、現在の活用率は2割程度。国交省は5割程度にまで高めることを目指している。
 国交省が一人親方を対象にチェックリストの認知・活用状況のアンケート調査を行ったところ、実際に活用したことがあると回答したのは12・7%にとどまった。前年度の調査からは1・1ポイントの微減となった。「活用したことはないが、知っている」が19・0%で、残る68・2%は「知らない」との回答だった。
 一方、活用経験のある一人親方のうち35・8%は自己診断の結果、「社員の働き方に近い」と考えたという。一人親方として働く人の中にも、社員と変わらない働き方の人が一定数いることが裏付けられた形だ。「一人親方の働き方に近い」と判断した割合は56・6%だった。
 社員に近いという自己診断の結果を踏まえ、実際に取引先に雇用契約の締結を打診したという回答も10・3%あった。チェックリストを活用した一人親方に対し、働き方の実態に沿った雇用形態への転換を促す効果が確認出来たといえる。
 国交省は今回の結果を受け、まずはチェックリストの認知度を高めるため、活用現場の拡大にとり組む。一人親方や建設業者に加え、発注者も対象に地方で重点的に偽装一人親方対策を促す説明会を開いており、こうした場でチェックリストの活用を呼び掛ける。
 一人親方と労働者の判断に関する問い合わせに対応するため、厚労省との連携も強化する。5月には建設業団体に対して偽装請負対策に関する通知を発出した。

提供:建通新聞社