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2025/07/08

工事書類の削減・簡素化 「市町村まで徹底すべき」

 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)が行ったアンケート調査で、現場技術者の負担軽減のために取り組んでいることとして「社内書類の削減・簡素化」と回答した会員企業が46・7%に上り、前年度に続いて最も回答が多かった。前年度よりも5・5ポイント上昇している。自由回答では、「市町村レベルまで徹底してほしい」などと、発注者に書類削減を求める声も依然として強い。
 アンケートには、今年4〜5月に都道府県建設業協会の会員企業1958社が回答した。
 時間外労働の上限規制の適用から1年を掛け、まず社内書類の削減・簡素化に取り組んで、各社が現場技術者の長時間労働を削減している。アンケート結果を見ると、書類削減に直結する情報共有システム(ASP)の活用と回答した企業も45・0%と次いで多く、前年度と比べても6・2ポイント上昇している。
 この他、「バックオフィス(本社管理部門等)でのサポート体制の構築」(28・3%)や「建設ディレクターの導入」(14・7%)などにより、現場の書類作成を支援しているとの回答もあった。
 「現場の書類は『万が一の時に確認のための書類』。そのために多大な労力を要して書類を作成している」。自由回答では、発注者に提出する書類の削減を求める声も寄せられている。
 特に課題となっているのは、地方自治体の発注工事での書類削減・簡素化が進んでいないことだ。国土交通省の直轄工事と同様に、工事書類スリム化ガイドなどを作成する都道府県・政令市は増えているものの、「(工事書類削減の)取り組みすら行われていないところもある」など、特に市町村に対する不満は強い。
 「ASP、書類の削減・簡素化が発注者によってかなり異なる」「工事書類が発注者によりばらばら」「統一様式や考え方の共有が進めば生産性向上につながる」など、公共発注者に提出する書類の統一を求める意見も多く見られる。
 「いまだに書面での書類提出を要求する官庁があるのでなんとか改善してほしい」といった、デジタル化の遅れを指摘する声もある。「発注者内部での確認作業をアプリエーションで処理すべき。今でも押印するための書類の回覧に時間を要している」として、「まずは公共発注者が実践し、生産性を向上してほしい」と発注者側に早急な対応を求める回答者もいた。

提供:建通新聞社