総務省は、地方自治体の入札参加資格申請の共通化・デジタル化を検討している検討会で、建設工事と測量・建設コンサルタントの資格の有効期間を2年に統一するとした、たたき台を提示した。同じ検討会では、自治体の物品・役務の入札参加資格を有効期間3年に統一する方針を決めており、検討会の有識者からは、建設工事と測量・建設コンサルタントの有効期間も3年に見直すと、自治体の資格審査に必要な事務負担を軽減する効果があるとの意見も出ている。
検討会では、事業者が全自治体にオンラインで入札参加資格申請できるシステムを構築するため、入札参加資格審査の申請方法や審査項目の統一を検討。事務処理の効率化と利便性の向上につなげようとしている。
建設工事の入札参加資格の有効期間を2年と設定している自治体は多く、その割合は都道府県の78・7%、市区町村の78・5%に上る。経営事項審査の有効期間が「審査基準日から1年7カ月」のため、有効期間を2年にした方が、有資格者の経営状況を適切に把握しやすいほか、有資格者にとっても有効期間が短い方が格付けを上げる機会が増えるメリットがある。
一方、8月8日に開かれた検討会では、建設工事と測量・建設コンサルタントの有効期間を物品・役務と同じ3年に統一すべきという意見が出たという。市区町村の86・9%は、事務負担を軽減するため、物品・役務と建設工事の入札参加資格審査申請を同じ時期に受け付けており、建設工事と物品・役務の有効期間が異なると、事務処理に困難が生じるとの危惧もある。
また、有識者からは、建設工事と物品・役務の双方を申請する事業者にとって、申請回数が増加し、事務負担が重くなるとの声も聞かれた。
総務省は、建設工事と測量・建設コンサルタントの資格の有効期間や申請方法を同じとする方針で、各自治体にたたき台についての意見を聞き、10月に開く検討会に改めて報告する。
たたき台では、有効期間の他、資格を付与する日と申請の受付期間のイメージも提示。全自治体の申請時期や審査期間、資格を付与する日などを分析し、最も多くの自治体が採用している制度に合わせた結果、物品・役務の申請方法と同じ方法になった。
定期申請で申請した事業者に資格を付与する日は4月1日に統一。申請期間は資格を付与する日の直前の10月1日〜11月30日の2カ月間とする。
定期申請を基本とし、自治体の判断で随時申請や追加申請を併用できることにする。随時申請は、原則として4月16日〜8月15日の4カ月間に受け付ける。自治体の判断で期間を延長することもできる。申請は毎月15日締めで、遅くとも翌々月の1日に資格を付与する。
提供:建通新聞社