国土交通省がまとめた「道路メンテナンス年報」によると、2024年度末時点で早期・緊急での措置が必要と判断された橋梁(判定区分V・W)は5万2864橋となり、全体の7・3%となった。1巡目の点検が完了した18年度末は判定区分V・Wの橋梁が9・6%であり、着実に修繕措置が進んでいる。
5年に1度の定期点検が義務付けられている道路橋は、18年度に1巡目、23年度に2巡目の点検が完了し、24年度からは3巡目の点検が始まった。
点検の進捗状況を見ると、3巡目の初年度となる24年度は全体の18%に当たる橋梁の点検が完了しており、2巡目初年度の16%を上回る進捗となった。
1巡目点検が完了した18年度末に建設後50年以上が経過した橋梁は約13万橋だったが、24年度末時点では約23万橋に増加。一方で、判定区分V・Wの橋梁は18年度末の6万9051橋に対して24年度末は5万3487橋と減少しており、全体として修繕措置が進んでいることが分かる。
ただ、点検後の修繕措置の実施状況は、国や高速道路会社と地方自治体の間で差が生じている。判定区分V・Wとされた橋梁は、5年後の次回点検までに措置すべきとされているが、自治体の管理橋梁は5年以上経過しても措置に着手できていない橋梁が24%ある。
19年度の点検で判定区分V・Wとなった橋梁のうち措置に着手した割合は、国交省が97%、高速道路会社が93%である一方、自治体は76%にとどまっている。自治体の措置着手状況を細かく見ると、都道府県・政令市等が82%に対して市区町村が45%となっており、特に市区町村の対策に大きな遅れが生じている。
この差は、措置の完了率にも表れている。19年度に判定区分V・Wとされた橋梁の措置完了率は、国交省と高速道路が100%、都道府県・政令市等が96%である一方で、市区町村は69%と低い進捗率となっている。
提供:建通新聞社