トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2025/09/10

自治体横断で立地適正化 都道府県が広域連携の方針

 国土交通省は、市町村をまたいで都市機能を誘導し、広域的に立地を適正化する取り組みへの支援を強化する。2026年度当初予算の概算要求に、都道府県による広域連携の方針作成や、方針に基づく都市機能整備への支援に必要な経費を盛り込んだ。広域的な立地適正化の方針を制度的に位置付けるため、都市再生特措法の改正も検討する。
 立地適正化計画は、居住機能や医療、福祉、商業、公共交通といった都市機能を区域指定により誘導し、コンパクトなまちづくりを推進するもの。3月時点で全国907都市が計画を作成している。
 現行計画は市町村単位で作成しているが、大型イベントホールや高度医療病院といった都市機能を全て単独の都市が備えることは難しい。そこで、市町村間で広域連携して都市機能を分担配置するとともに、広域の公共交通網を整備する取り組みを後押しする。
 市町村間の合意形成には時間を要することから、都道府県が積極的に関与できる仕組みを検討。都道府県による広域的な立地適正化方針の作成を強力に支援する事業を新設する。このため、コンパクト・プラス・ネットワーク関係経費に補助事業を盛り込んだ。
 さらに、都道府県が作成した広域的な立地適正化方針に基づく、都市機能の整備に対する支援も推進する。都市構造再編集中支援事業や都市再生整備計画事業、まちなかウォーカブル推進事業などを拡充し、自治体の取り組みを加速させる。
 都道府県が広域的な立地適正化方針をベースに市町村間の連携を促進し、市町村が自治体ごとの立地適正化計画に反映した上で都市機能の誘導事業を展開するイメージだ。
 都市再生特別措置法は施行から約20年が経過しており、2月からは法改正も視野に入れて社会資本整備審議会都市計画基本問題小委員会での議論を開始した。これまでの小委員会では、広域連携により、都市圏として成長戦略や都市計画を推進すべきとの意見が出ている。今後は兵庫県の中播磨圏域や群馬県の館林都市圏などの先行事例を参考に、広域連携の制度上の位置付けを検討していく。

提供:建通新聞社