全国建設業協会(全建、今井雅則会長)が、中央建設業審議会の「工期に関する基準」の対応状況を聞いたところ、公共工事では80%以上の会員企業が基準を順守した適正な工期が設定されていると回答した。工期設定の課題としては「関係者との協議が整っていない」「設計内容と現場条件の乖離(かいり)」を指摘する回答が多かった。
会員企業1891社が回答した。調査に対し、「おおむね適正であり、問題は感じていない」「おおむね適正であるが、問題も感じている」と回答した会員企業は、国土交通省が93・8%、都道府県・政令市が91・5%と90%を超え、市区町村も86・5%と大きく変わらなかった。
工期設定に関する問題としては、「関係者との協議が整っていない」と回答した企業が最も多かった。中でも、国交省は都道府県・政令市(63・4%)、市区町村(61・7%)よりも高く、全体の72・0%に上った。次いで多かった「設計内容と現場条件の乖離」についても、発注者別では国交省の53・6%が最多だった。
調査に対する自由回答でも、「受注後、関係機関との調整に時間がかかり、技術者が拘束される」「入札前に住民との協議が行われてらず、受注後の協議で施工条件が変わることがある」などと、協議が整わないまま発注されたことが、工期に影響を与えている実態が浮き彫りになっている。
設計内容と現場条件の乖離についても、「受注者が再設計することが多く、その期間が(工期に)反映されない」といった指摘があった。
提供:建通新聞社