建設技能人材機構(JAC、三野輪賢二理事長)は、国内で行う特定技能評価試験の会場数を12月から大幅に拡充する。47都道府県に1カ所以上を常時確保できるようにし、受験のための移動に伴う時間的・金銭的負担を軽減し、受験機会の確保につなげる。10月3日以降に申し込みを受け付ける試験から会場が拡充される。
このため、試験の実施方法をJACによる直営方式から、教育試験の運営を手掛けるプロメトリックテストセンターへの委託に変更する。これにより、全国95会場で受験できるようになる。都道府県ごとに1カ所以上の会場を確保し、月1回以上の試験実施を見込む。東京・大阪など主要都市では複数回の開催を想定している。試験の内容や受験料などに変更はない。
11月20日の試験までは現行方式で実施する。10月3日に申込受付を開始する試験からプロメトリックテストセンターへの委託となる。試験申し込みも同社ホームページから行う。
特定技能評価試験は、「土木」と「建築」、「ライフライン・設備」の3職種で実施している。学科・実技のいずれも、コンピューターを使ったCBT方式となっている。
現行では、東京と大阪の会場では毎月1回以上、試験を実施している一方、他の地方は受験状況を踏まえながら会場を設定。例えば6月は北海道、7月は広島県、8月は福岡県で試験を実施した。
1回の試験で合格できる外国人就労者は限られており、複数回の受験が必要な例は少なくない。地方で就労している外国人が東京や大阪の会場で受験する時間的・金銭的負担を軽減するため、今回、会場数の拡充を決めた。
受験者が複数の会場に分散することで、会場の定員オーバーを防ぎ、受験機会を確保する狙いもある。
近年は、特定技能制度の開始から6年がたち、特定技能1号から2号に移行するための試験ニーズも高まっている。また、27年には現行の技能実習に代わり、特定技能の入口としての位置付けを明確化した育成就労制度が開始を予定。特定技能評価試験の受験者数のさらなる伸びを見据え、JACは円滑に試験を実施できる環境を整える。
JACはこの他、25年度から1号・2号特定技能評価試験で公開している過去問を倍増させた。2号試験の過去問には漢字にルビを振って公開。インドネシア語やベトナム語、タイ語など10以上の言語でサンプル問題の翻訳・公開も行っている。一連の取り組みにより、1号・2号試験の積極的な受験を促す。
提供:建通新聞社