トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2025/09/26

自動施工で安全ルール適用 リスクアセスの結果を蓄積

 国土交通省は、建設現場での自動施工の実現に向け、建機の機能要件の検討体制を整理した。3月にまとめた「自動施工における安全ルール」(改訂版)を自動施工の実施現場に適用し、安全ルールに基づいて実装された対策を蓄積・収集する。自動建機の安全な使用を巡っては、厚生労働省でも労働安全衛生法令に関わる内容を検討することとしており、国交省では特に土木工事に特化した運用や、無人エリアでの使用について基準類を整備する。
 建機の自動施工は、建設現場を省人化するi−Construction2・0の柱となる施策の一つ。安全な現場導入に向け、現場を無人エリアと有人エリアに区分するとともに、非常時の停止システムの整備、監視体制の構築などを規定する安全ルールを2024年3月に作成。今年3月には「バージョン2」として、建機を供給するメーカーは機械の設計時、建機を利用する建設業者は施工現場での導入に当たってリスクアセスメントを実施することなどを盛り込んだ。
 国交省は25年度から試行工事に新たな安全ルールを適用し、自動施工の実績を増やす。リスクアセスメントによって現場の施工計画や機械に盛り込んだ安全対策の内容を蓄積し、自動建機の機能要件の検討に生かす。
 無人エリアで自動施工を実施する上で必要な要件についても今後、要件を整理する。具体的には、所定の範囲から建機が逸脱しないことや、オペレーターが備えるべき知識・技能などを要件として想定している。
 厚労省と国交省がそれぞれ、自動施工に関連して検討すべき内容についても整理。厚労省は農業や林業を含め、自動機械の使用が想定される具体的な作業ごとに労働安全衛生法令上の安全義務や技能要件、機械の技術水準を考える。国交省はこうした動きを踏まえながら、土木工事に特化した運用や、人が立ち入らない無人エリアでの運用方法について基準類を整備する。

提供:建通新聞社