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2025/10/07

全国中小建設業協会 ブロック別意見交換会(1)中部

 全国中小建設業協会(全中建、河ア茂会長)は9月18日、国土交通省と建設業界の課題について意見を交わす「2025年度全国ブロック別意見交換会」をスタートさせた。初弾となった中部ブロックの意見交換会を同日、名古屋市で開催。中部エリアからは愛知県土木研究会、静岡県中小建設業協会、愛知県舗装技術研究会、愛知県建築技術研究会が参加した。国は各会の質問に答えた上で、技能者の賃上げや、猛暑日を考慮した工期設定、市町村で取り組みの遅れが目立つ週休2日などについて、働き掛けを強化していく考えを示した。
 河ア会長は開会のあいさつで、公共事業予算の確保、建設業の賃上げなどの要望事項に触れ、「地域の守り手として中小建設業界が安定経営を営むことができ、その役割を果たし続けられるような対応をお願いしている」と説明。その上で「若者から選ばれる建設業、地域に貢献できる地場産業となるための基盤づくりが必要だ」と訴えた。続いて、開催地を代表してあいさつした愛知県土木研究会の大矢伸明会長は、人材不足や資材高騰、デジタル対応の遅れなど、適正な利益を上げることができない経営環境に触れるとともに「豪雨など自然災害に対し、地域の建設業が第一線で立ち向かっている」とし、「今後も地域の安全・安心を守るために、企業経営の基盤づくりが必要。国などの協力をいただきながら両輪でいい方向に努めていきたい」と述べた。
 これを受けて、国交省不動産・建設経済局入札制度企画指導室の酒井大斗課長補佐は「建設業行政の課題」を解説する中で、設計労務単価の13年連続の上昇、建設業団体との賃上げなどの申し合わせに触れ、「労務単価と賃上げを両輪で取り組む」と説明。その他、ダンピング対策や、市町村における週休2日工事等実施の働き掛け、第三次・担い手3法に係る労働者の処遇改善の取り組みなどを紹介した。
 さらに、本年度からの取り組みとして、「地域の中小建設業の現況」を大矢会長が説明。人手不足の深刻化、賃金の引き上げなど7項目について、地域の建設業が置かれた現状を解説した。
 各会の意見では、土木研究会が働き方改革に向けた環境整備として▽下請け企業の賃金形態の月給制の検討▽最低制限価格率等の予定価格の95%以上への引き上げ▽市町村・民間工事に対する週休2日制取り組みの指導・働き掛け▽提出資料の簡素化とデータの提出―などを要請。舗装技術研究会は▽超過酷となる夏場の舗装工事における熱中症対策▽繰越明許費の明示による適正工期の確保―などを、建築技術研究会は▽適正な予定価格の設定▽余裕期間制度の活用―などを求めた。
(地方建設専門紙の会・建通新聞社)