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2025/10/07

下水管点検の高頻度化 低健全度は5年に1回より多く

 国土交通省は、下水道管路の点検・調査の高頻度化に向けて、劣化状況に関する診断区分を見直す考えだ。劣化に対する措置の時期を「緊急度」として表す現在の区分から、管路の安全性を基準とする「健全度」での区分に改める。低い健全度と診断された箇所では、5年に1回よりも高い頻度での点検・調査を求める。
 10月6日に開催した「下水道管路マネジメントのための技術基準等検討会」=写真=で、こうした考えを示した。
 現在の下水道管路の診断区分は、管路の劣化状況を3段階の緊急度で表している。見直し後は、安全性を指標としてT〜Wの4段階で評価する。「構造物の安全性が低下する可能性が著しく高い状態」は健全度Wとし、緊急で改築することを求める。これに続く健全度Vは、安全性が低下する可能性がある管路とし、劣化の進行を抑える応急措置を施した上で、調査頻度を高める。
 健全度Vの点検頻度は、5年に1回よりも高い頻度とする。検討会では、特に管路の損傷が発生しやすい箇所(硫化水素ガス濃度が特に高い箇所など)について、5年に1回よりも短い間隔での調査・点検を求めている。健全度Vは、特に損傷しやすい箇所以上の頻度で、点検・調査を実施する。
 診断区分の見直しでは、診断単位の見直しも検討する。現在はマンホール間のスパンを単位として診断しているが、同じスパンの中で複数の異常箇所がある場合、適切に健全度を表せない可能性などの課題が挙げられている。
 また、健全性の把握では、目視が難しい箇所で正確に診断しづらい、といった課題がある。検討会ではこうした診断が困難な箇所について、監視の頻度を高めたり、速やかに改築するなど、問題が放置されないようにすべきとした。

提供:建通新聞社