日本埋立浚渫協会(埋浚協、清水琢三会長)が港湾工事に従事する技能者を対象に調査したところ、建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能レベル2以上の作業船従事者と潜水士は全体の17%(7月時点)となり、土木・建築関係の技能者よりも高い傾向にあることが分かった。
作業船保有会社と潜水会社の合計220社を対象として、従業員4369人の技能レベルを聞いた。CCUSの能力評価制度でレベル2以上のカードを保有している従業員は747人(17%)。作業船従事者が全体の20%、潜水士で11%だった。
レベルアップを申請している企業は作業船保有会社の67%=グラフ参照、潜水会社の49%だった(申請予定含む)。レベルアップを申請していない企業にその理由を聞いたところ、作業船保有会社の40%、潜水会社の51%が「メリットを感じられない」と回答した。現在、港湾工事関係の能力評価の職種は「海上起重」のみで、潜水士や海洋土木工として現場に従事していても、「とび」や「土工」の能力評価を受けている技能者がいるという。
このため、埋浚協などの港湾関係5団体は、港湾工事で働く全ての技能者が能力評価を受けられるよう、能力評価に「港湾潜水」と「海洋土木工一般」の新職種を創設する考えでいる。港湾潜水は潜水協会、海洋土木工一般は新設する「海洋土木技術協会」を能力評価団体とすることを検討している。
提供:建通新聞社