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2009/12/10

民主党議員中心に次期通常国会に法案提出の動き 公共工事報酬確保法 賃金に最低基準設定

 国の公共工事で労働者に支払われる報酬に最低基準を設ける「公共工事報酬確保法案」を、次期通常国会に議員立法で提出しようとする動きが民主党の国会議員の中から生まれている。法案の骨子は、国土交通相による基準報酬額の決定や、受注者による作業報酬台帳の作成、違反した受注者との契約の解除などだ。地方公共団体レベルでは、公共工事の賃金低下に歯止めをかけようと、千葉県野田市が全国初の「公契約条例」を制定しており、2010年度から運用する。一連の動きにあらためて関心が集まりそうだ。
 民主党建設労働議員懇談会会長で参議院議員の山下八洲夫氏が、本紙のインタビューに応え明らかにした。
 法案は、国や国の特殊法人などの公共工事を対象とするもの。適正な施工を確保するため、工事に従事する労働者や一人親方に支払われる報酬に一定の基準を設ける。作業報酬の下限を「基準作業報酬額(時給換算額)」とし、国交相が毎年、公共工事の作業の種類や難易度、地域ごとに決定する。
 国の公共工事の受注者は「作業報酬台帳」を作成し、その写しを発注者に提出する。基準額が守られなかった場合、発注者は受注者との請負契約を解除したり、契約を解除した会社に対し、3年を上限に入札参加を停止したりできるようにする。
 山下氏によると、法案は党内有志の議員連盟で検討し、当初は先の通常国会での提出を予定していたが、国会の解散で手続きがストップした。
 民主党は現在、原則的に議員立法を認めないことにしている。これに関して山下氏は「先の通常国会で、法案の内容について党内手続きを終え、共同提案について社民党や共産党の賛同も得ていた。党内で議論を積み上げたのだから、幹事長室も理解すると思う」と話す。また、自民党や公明党の国会議員にも協力を求めており、調整が順調に進めば「委員長提案でスムーズに法制化できる」という見方だ。
 山下氏は「野田市がモデルとなり、さらに国の法律ができれば、取り組みは自然と全国の地方公共団体にも拡大していくのではないか」と話している。

提供:建通新聞社<