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2010/02/02

「ダムは治水対策に有効」 10県が河川行政の在り方で意見交換

 東北から九州の10県で構成する「命と生活を守る新国土づくり研究会」は1日、東京都千代田区のグランドアーク半蔵門で会合を開き、河川行政の在り方について意見を交わした。この中で、多くの県がダム建設による治水対策の有効性を指摘した上で、前原誠司国土交通相が提唱する「できるだけダムによらない治水対策」という考え方に対し、「地域の実情に応じた判断が必要」と訴えた。
 今期の会長を務める埼玉県の上田清司知事は「新政権は『コンクリートから人へ」という方針の下、ダムに頼らない河川行政を掲げているが個人的には疑問がある。今後の河川行政について国民の立場から意味のある議論を展開していかなければならない」と強調した。
 これに対し、馬淵澄夫国土交通副大臣は、「少子高齢化、長寿化、厳しい財政という制約の中で、できるだけダムによらない治水対策について、ようやく議論を始めたところだ。できるだけ早く議論の成果をまとめ、皆さんに示したい」と各県に理解と協力を求めた。
 意見交換の中で、兵庫県の井戸敏三知事は管内のダム事業について、ほかの治水代替案との費用対効果などの検証結果を示した上で、「ダム建設の効果は高く、事業継続が必要」と指摘。徳島県の飯泉嘉門知事は、災害による被害の未然防止を重視する立場から、災害予防事業の予算を確保するとともに、大規模事業は国の責任で実施することなどを求めた。
 この研究会は、岩手・埼玉・富山・福井・岐阜・兵庫・島根・徳島・鹿児島・長崎の10県が治水対策の在り方などを議論し、国土交通省への政策提言などにつなげようと04年に結成した。

提供:建通新聞社<