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2010/03/08

清水建設 放射化コンクリートの放射能低減化技術を開発、実用化へ

 清水建設(宮本洋一社長)は2日、今後本格化する原子力発電所の廃炉・解体に備え、「世界で初めて放射化コンクリートの放射能低減化技術を開発し、実用化にめどを付けた」と発表した。同技術を採用することで、放射性廃棄物となるコンクリート量を約100分の1に削減できるという。
 同社によると、コンクリートが放射性廃棄物になる原因は、骨材中にごく微量に含まれるユーロピウム(Eu)とコバルト(Co)という原子(金属)に中性子が当たって放射化することにある。
 そこで、放射化コンクリートを数_の大きさに粉砕し、硝酸処理する技術を開発。硝酸処理後のコンクリートは、EuとCoの含有量が従前の10分の1以下となり、放射性物質として扱う必要がなくなる。そのため、骨材は再利用、鉄やアルミニウムを含む塩化物は一般廃棄物として処分できるとしている。
 現在、日本国内では54基の原子炉が稼動中で、初期に建設された原子炉は寿命を迎えつつある。すでに、日本初の商業用原子力発電所である日本原子力発電東海発電所では廃炉計画が進められており、建設会社としては清水建設だけが参画しているという。
 今後、放射化コンクリートの放射能低減化技術を関係方面に提案し、老朽化した原子力発電所の廃炉・解体工事の受注に結び付けたい考えだ。

提供:建通新聞社