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2010/03/12

【北海道】CO2の分離回収技術実証実験を道などが誘致へ

 二酸化炭素(CO2)の分離回収技術(CCS)確立を目的に、経済産業省が国内で大規模な実証実験を開始することを受け、道と苫小牧市などは2010年度から、苫小牧港沖合での実証実験実現に向けた誘致活動に取り組むことを決めた。活動の母体となる協議会を4月中旬に発足。300億円規模の投資が見込まれる実験の誘致実現に向け、当面は実験候補地に選ばれることを目標とした活動を進める。
 11日の道議会で高橋はるみ知事は、苫小牧港沖での実験が実現すると「非常に大きな経済効果が期待できる」と説明。国に対して適地であることを積極的にアピールする考えを示した。
 CCSは、大気中へのCO2排出抑制を目的に、大規模な工場などから排出されるガスからCO2を分離回収し、地中や深海に貯留隔離する技術。経産省は、CO2分離回収にかかわる低コスト技術の開発を進め、10年度以降早期に国内で大規模実証実験に着手し、20年度までに技術の実用化を目指すとしている。
 苫小牧港沖では09年度に、沖合2`の海域で、CO2の貯留可能量などを把握するための音波調査などが進められている。道では「(苫小牧沖は)非常に有力な候補地に位置付けられている」(経済部資源エネルギー課)と説明。地元苫小牧市では「実験にはCO2を液体と気体の中間状態にする設備などが必要で、地元への経済波及効果は200億円に上るとの試算がある」と期待を寄せている。
 協議会の名称は仮称・苫小牧CCS促進協議会。協議会には市と道のほか、出光興産、新日本石油、王子製紙、トヨタ自動車などの大企業もかかわる。石油資源開発や苫小牧港開発、苫東、商工会議所なども参画し、賛助会員として、地元の建設関連企業も名を連ねる予定だ。