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2010/06/04

調査・設計分野の低入札対策で運用基準 「赤字補てんは適正と認めず」 国交省

 国土交通省は、調査・設計分野の総合評価方式で試行を始めた低入札対策の具体的な運用基準をまとめた。低入札価格調査基準価格を下回った者に提出させる追加資料は、入札価格内訳書や一般管理費等内訳書、手持ち業務の人工、配置予定技術者名簿、直接人件費内訳書などと設定。これを基に必要経費の確保や技術者への適切な報酬の支払いなどを厳しく審査し、履行の確実性が不十分な場合に技術提案評価点を減点評価する。経営上の観点から、該当する業務の経費の赤字分をほかの業務の黒字で賄う「赤字補てん」は適正な費用計上とは認めない方針だ。
 新たな低入札対策は、直轄事業で頻発する調査・設計業務の低価格入札を防止するため、国交省が1000万円以上の業務を対象に、5月24日以降の公告案件から試行している。
 低入札価格調査の厳格化に当たっては、予定価格超過者を除くすべての応札者にヒアリングを実施。その際、調査基準価格以上の者は電話でのヒアリングを可能とするが、調査基準価格未満の場合は対面とし、配置予定管理技術者の出席を求める。
 調査基準価格未満の者には国交省が開札日から2日以内に追加資料の提出を要請する。対象者は要請があった日から原則として3日以内に追加資料を提出する必要があり、期限内の提出がない場合は対象者の入札は無効となる。
 国交省は提出された資料などに基づき、@業務内容に対応した費用が計上されているかA配置予定技術者に適切な報酬が払われることになっているかB品質管理体制が確保されているかC再委託先への支払いは適正か―という4項目を審査する。その結果は技術評価点の内訳として評価項目に追加する「技術提案の確実な履行の確保」に反映させる。
 審査の反映手法としては、4項目すべての説明が明確でない場合は技術提案評価点を0点とする。3項目の説明が不十分なら技術提案評価点が75%、2項目なら50%減点される。全項目の説明が明確な場合は技術提案評価点を減点されないことになるが、国交省では追加資料や説明の内容が明確かどうかを厳しく審査する考えを示しており、こうしたケースはほぼ発生しないとみられる。

提供:建通新聞社