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2010/10/13

廃石綿の薬剤固化を義務化 廃棄物処理法施行令、4月1日改正 環境省

 環境省は、廃棄物処理法施行令と最終処分場の技術基準(省令)などを2011年4月1日付で改正する。廃石綿を排出する段階で薬剤固化することや、廃石綿を埋め立てする際に覆土することなどを義務付ける。このためパブリックコメントを10月7日から開始。11月8日までメールと郵送で改正についての意見を受け付ける。
 今回の廃棄物処理法施行令は、現行令第6条の5第1項第3号を改正し、廃石綿などの埋立処分を行う場合、「あらかじめ固型化、薬剤による安定化その他これらに準じる措置を講じた後、耐水性の材料で二重こん包すること」とする。最終処分までの過程で廃石綿の飛散を防止するため、廃石綿を排出する段階で薬剤固化を義務付ける。
 また、埋め立て処分を行う際には、廃石綿などが埋立地の外に飛散・流出しないように、表面を土砂で覆うなどの措置を講じるよう明記する。
 こうした排出から最終処分までの過程で廃石綿を飛散させないための取り組みは、すでに静岡県浜松市で始まっている。
 市内の産業廃棄物処分場が廃石綿の受け入れを始めるにあたって、産業廃棄物処理業者と浜松市、地元自治会との3者間で「薬剤固化にかかる中間合意書」を締結。使用する薬剤(アグアA3000)を標準仕様書に明記し、排出業者が薬剤を使用して飛散抑制した廃石綿以外は、最終処分場に受け入れしないとの取り決めを交わしている。
 同市は、産業廃棄物処理業者・地元自治会と2010年度内に環境保全協定を締結したい考え。同市の産業廃棄物対策課は「薬剤固化の性能をもつ薬剤を調べた結果、アグアA3000が優れていた。今後、これと同等またはそれ以上の性能の薬剤であれば採用していきたい」と話しており、市内の最終処分場に搬入される廃石綿の飛散防止を徹底していく方針だ。

提供:建通新聞社