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2010/11/10

借換保証制度を拡充、緊急保証の借入も対象に 不況業種などには100%保証を11年度も継続 中小企業の資金繰り支援で中小企業庁

 中小企業庁は、中小企業の資金繰り支援策として、既存の複数の保証付き借入金を一本化して月々の返済額を軽減する「借換保証制度」を拡充し、2008年10月から開始した「緊急保証」による借り入れにも適用する。10年度内であれば、10年2月から緊急保証を拡充した現行の「景気対応緊急保証」による借り換えが可能で、年末や年度末の資金繰りに対応する。また、緊急保証は10年度末で期限切れになるものの、特に業況が厳しい中小企業を対象とする「セーフティネット保証」や、従業員20人以下の企業への「小口零細企業保証」、創業5年以内の中小企業に対する「創業者向け保証」については、引き続き11年度も金融機関からの借入金に対する信用保証協会の100%保証を継続する。これらに必要な予算を10年度第一次補正予算案に盛り込んだ。
 現在の緊急保証は、セーフティネット保証の一つとして、リーマン・ショック後の08年10月にスタート。10年2月、対象業種を全業種に広げるなど、景気対応緊急保証として拡充した。売上高の減少などを条件に、一般保証とは別枠で、普通保証で2億円、無担保保証で8000万円を限度に、中小企業の借り入れを信用保証協会が100%保証する。
 利用枠は36兆円で、承諾実績は9月末現在、件数で約125万件、金額で約23兆円に達した。建設業が件数で27%、金額で25%と、いずれも全業種の中で最も高い割合を占めている。
 借換保証制度は、複数の借り入れを一本化し、返済ペースを見直すことによって、月々の返済負担を軽減するもの。新たに据置期間を設けることも可能。返済期間などの条件変更に加え、返済猶予と同様の効果がある。金利を低減できる可能性があるほか、審査が通れば追加融資も受けられる。
 現在の借換保証は、従来の一般保証とセーフティネット保証などによる借入金が対象になっている。制度を拡充し、08年10月以降の緊急保証にも適用する。詳細は今後詰めるが、緊急保証による借入金を、ほかの保証の借り入れと別枠で取り扱うことを検討している。10年度末までであれば、現在の景気対応緊急保証による借り換えも可能とする。
 緊急保証では最長2年間の元本返済の据え置きを認めている。緊急保証の初期の借り入れの返済が今後本格化していく中で、年末や年度末の企業の資金繰りに余裕を持たせる狙いがある。
[小口零細保証で2割カバー]
 さらに、緊急保証制度が期限切れになる10年度末以降の対策として、▽特に業況が厳しい中小企業を対象とする保証割合100%の「セーフティネット保証」▽従業員20人(商業やサービス業を主たる事業にする事業者は5人)以下の企業に対して、保証利用残高1250万円まで100%保証する「小口零細企業保証」▽創業者や、創業5年以内の中小企業に対する、100%の「創業者向け保証」―を11年度も継続する。
 業況によるセーフティネット保証の対象業種は10年度中に決める。
 また、小口零細企業保証によって、緊急保証を現在利用している企業の約2割がカバーできるとみている。同制度は市区町村の認定が不要で、早期に融資を受けられるメリットがある。
 第一次補正予算案の中小企業資金繰り支援策は5653億円。日本政策金融公庫などによる直接貸付の拡充などを含め、15兆円規模の支援を行う。

提供:建通新聞社