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2011/05/19

生産回復も調達に遅れ 国交省など4省庁が住宅建設資材の需給緊急調査

 国土交通省、林野庁、経済産業省、環境省の4省庁は、住宅建設資材の需給状況に関する2回目の緊急調査を行った。東日本大震災による生産拠点の損壊などで落ち込んだ生産量は除々に回復しているものの、過去の受注残などへの対応もあり、需要側への調達は合板やグラスウール(断熱材)など多くの資材で遅れている状態。給湯設備は特定製品の調達が困難で、大半の住宅供給者が代替品で対応している状況にあるという。
 4省庁では、震災による生産拠点の損壊、物流の停滞、計画停電の影響、応急仮設住宅の需要増などの住宅建設資材に対する影響について、3月24日〜31日に緊急調査を行っており、4月20日〜5月6日に行った2回目の調査で、その後の状況をフォローアップした。 対象資材は▽合板▽パーティクルボード▽MDF▽断熱材▽外装材(窯業系)▽サッシ▽複層ガラス▽鋼材▽キッチン▽給湯設備機器▽電気配線▽塩ビ管―など16品目。 3月末に通常の7割程度だった合板の生産量は、被災していない全国の工場がフル生産して震災前の水準に回復。流通段階でも、需要側に当面の納入時期が示されるなど、供給不安は解消に向かっている。合板の代替品として利用されているパーティクルボードやMDFは現時点で価格上昇は見られないが、原材料費などの上昇でメーカー側に価格改定の動きもあるとしている。
 断熱材は、グラスウールとロックウールで、いずれも震災前の供給量を確保しているが、住宅供給者への納期は通常と比べて遅れるなど不安定な状況。外装材(窯業系)の生産量は、被災工場の操業再開で震災前の92%まで回復したが、調達できる製品の種類が限定され、特定製品の調達が困難になっている。
 給湯設備機器は、福島第一原子力発電所の20`圏内に生産拠点があるため、ただちに改善の見込みはなく、メーカー側が今後の部品納入に支障がないよう代替方法を検討中。電気式高効率給湯器などで、基盤入手が困難になって調達が遅れているため、住宅供給者は代替品での対応を迫られているという。
 電気配線(銅)と塩ビ管は、増産する企業などもあり、調達に関する問題はなかった。ただ、出荷価格は原材料価格上昇が影響し、電気配線で5%程度、塩ビ管で1〜2割程度の上昇が見られるとしている。

提供:建通新聞社